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【スウィング研究】蟬川泰果<後編>「左のお尻を“右後ろ”に引くとスムーズに回転できる」

今年のソニーオープンinハワイを現地観戦した小林一重プロが、蝉川泰果のスウィングを見て気づいたことをレポート。蝉川のような鋭い回転で飛ばすために重要なこととは?

PHOTO/Blue Sky Photos

蟬川泰果 2001年生まれ。兵庫県出身。今回のソニーオープンinハワイでは4位タイで最終日を迎えるも結果は30位タイ。昨年の国内ツアードライビングディスタンスは306.6ヤードで6位

解説/小林一重

1948年生まれ。30年以上にわたって小誌でトッププロのスウィング解説を度々行ってきた。東京多摩川ゴルフ練習場でアマチュアのレッスンに尽力中

>>前編はこちら

左のお尻は“右後方”へ引く

「最近、腰の回転を促す意味で、雑誌やYouTubeなどで、『左のお尻を後ろへ引け』という言葉やシーンをよく目にします。『後ろへ引け』と言われて、皆さんはどの方向だと思いますか?
 私は真後ろではなく、右後方(右足方向)へ引く意識を持つのが正解だと思います。真後ろではなく、右後方へ引くことで左骨盤が後屈するように回り、それに引っ張られて左ひざが伸び、左の大腿骨(太もも)が内旋し、これが強固な左の壁となります。この下半身に対して上半身にカウンターモーションが生まれて腕とクラブがビュンとしっかり振れるのです」(小林)


蟬川泰果

ジョン・デーリー

一連の飛ばしのメカニズムをモノにするうえで大切なのが“予測記憶”だと小林プロ。

「予測記憶とは、動きの予測をすることで動きの連動を滑らかにし、脱力や力の流れを良くします。体操競技は演技前にねじりや回転などを想像することが大事だとの解説がありますが、ゴルフのスウィングもまさに同じ。シットダウンを事前に予測してフットワークを使おうとすることで上半身がトップの位置に残り、ダウンスウィングの連動性が向上します。左のお尻を真後ろではなく右後方へ引くよう予測記憶することも大事。
『シットダウンモーション』『左骨盤を動かす方向』『予測記憶』と、常夏のハワイとはかけ離れたレポートになりましたが、皆さんのゴルフに役立ててもらえれば嬉しいです」

左のお尻は真後ろではなく、右後方へ引くから回転になる

週刊ゴルフダイジェスト2024年2月6日号より