テーラーメイド&キャロウェイのニューモデルが発表されたが、PGAツアーでは早くも新ドライバーが実戦投入されている。選手たちはどのモデルを選んでいるのか。ロフトやシャフトのスペックも含め、実使用ドライバーをチェックしていこう。

解説／堀口宜篤
PHOTO／Blue Sky Photos

PGA選手が続々と新ドライバーを実戦投入している。ドライバーを見れば求めることが分かると堀口宜篤コーチは言う。

「驚いたのは、コリンが『Qi10』シリーズの中ではやさしい『MAX』を使っていること。よく見るとロフト9度でカチャカチャをLOWERにセットしています。これはロフトを立てて逃げ顔にしつつ、やさしさも欲しいという考えだと思います。反対にシャウフェレはツアーモデルの『パラダイム Ai スモーク♦♦♦』ですが、ロフトは10.5度で、シャフトでハードにしています。2人の違いが面白いですね」

テーラーメイド「Qi10」シリーズ

ヘッドのカーボン使用率を増やしつつ、同社史上最軽量のチタンフレームを用いて設計自由度を上げた。結果、寛容性と初速の両立が実現した。

コリン・モリカワ
テーラーメイド「Qi10 MAX」

ツアーモデルではなくドローバイアスモデルを選択したコリン・モリカワ。その分、カチャカチャをLOWERにセットし、ロフトを立たせて逃げ顔にしている

スコッティー・シェフラー
テーラーメイド「Qi10」

ロフト8度と他の選手よりも立っているのがわかる。加えて総重量が349グラムと重くかなりハードなセッティングになっている
●ロフト／8度　●総重量／349g　●シャフト／ベンタスブラック 7X

トミー・フリートウッド
テーラーメイド「Qi10 LS」

「Qi10 LS」のウェイト位置はややDRAW寄り。3Wの代わりにテーラーメイド「バーナーミニドライバー」（13.5度）を入れている
●ロフト／9度　●総重量／323g　●シャフト／ベンタスTRブルー 6X

キャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズ

ゴルファーの膨大なスウィングデータと独自のAI テクノロジーの融合によって作られた「AI フェース」で寛容性と高初速を生む。

ザンダー・シャウフェレ
「パラダイム Ai スモーク ♦♦♦」

10.5度とPGAツアーではロフトが寝ているが、ウェイトを通常の前2グラム、後方14グラムから前を7グラムと増やし、後方を9グラムに減らすことで重心を浅くしている

アダム・ハドウィン
キャロウェイ「パラダイム Ai スモーク ♦♦♦」

ロフトは10.5度だが、前ウェイトを12グラムにすることで、インパクト時のロフトを寝かせすぎない超浅重心仕様にした
●ロフト／10.5度　●総重量／321g　●シャフト／ディアマナPD 60TX

エミリアーノ・グリジョ
キャロウェイ「パラダイム Ai スモーク ♦♦♦ MAX」

ソールのウェイトを前6グラム、後方5グラムにセット。モデルは「♦♦♦ MAX」という市販化していないプロトモデルだ
●ロフト／9度　●総重／311g　●シャフト／ディアマナPD 60TX

他の注目選手はどんなドライバーを使っている?

リッキー・ファウラー
コブラ「エアロジェットLS」

ソールのヒール側のウェイトを12グラムにし、鉛を貼っている。つかまりを求めているのが分かる
●ロフト／9度　●総重量／330g　●シャフト／ディアマナプロト 70TX

ジョーダン・スピース
タイトリスト「TSR2」

ロフトが10度、ヒール側に鉛を貼り高さとつかまりを確保しつつ、フレックスTXで操作性も確保している
●ロフト／10度　●総重量／320g　●シャフト／ベンタスブラック 6TX

トニー・フィナウ
ピン「G430 LST」

シャフトが70グラムのTXで総重量が356グラムとかなりのハードヒッター向けのセッティング
●ロフト／9度　●総重量／356g　●シャフト／ディアマナD リミテッド 70TX

松山英樹
スリクソン「ZX5 MKⅡ」

昨年から使い続けているモデル。カチャカチャでロフトを+1度にしている。シャフトは80グラム台のTX
●ロフト／9.5度　●総重量／－　●シャフト／ツアーAD DI 8TX

月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より