ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き、 ラグビー日本代表の李承信氏。

ゴルフ大好き一族に育ちながら、どうやらうちの上の兄にはゴルフセンスがないようだというお話は前回しました。ティーショットを後方に飛ばしたことや、ほぼ真上に打って、もともとあった地点にきれいに落ちてきて、もう少しで地面に刺したティーに乗りそうだったこともあります。そのときは、もう大笑い。ボールのすごく下のほうにヒットして回転がかかり、後ろに飛んだり、真上に上がったりしたんですが、あれは狙ってもできません。

僕はラグビーではキッカーを務めますし、サッカー歴も長く、ボールをどう蹴るとどういう回転がかかるというのは理解できるし、ラグビーとサッカーならコントロールできる。でも、クラブを使ってそれをやるのは無理です（笑）。無理なんですが、父や兄たちと回ると笑いが絶えず本当に楽しくて心からリラックスできます。もちろん、家族だけでなくラグビーの仲間で回ることもあって、それはそれで別の楽しさがあります。

ゴルフって長時間一緒にいるから、性格が伝わってくることあるじゃないですか。この人にこんな一面があるのか、とか。例えば、チームメイトの（山下）楽平さん。すごく優しくて楽しい先輩ですが、ゴルフのときは厳しい（笑）。家族で回ると、ボールを打ちにくいところに入れたら「出していいよ」ってなるじゃないですか。楽平さんはそれがなくて（笑）。でも、それが本来のゴルフなんですけどね。僕が「出していいですか?」って顔をしていたのかもしれないですね（笑）。

あとは、同い年で仲の良いメイン平（リコーブラックラムズ東京）は、めっちゃうまいです。出身が宮崎なので一緒に宮崎の青島GCを回りました。海が見えてすごくきれいなコースで、あとプレーイング3があって「なんて優しいんだ」と。むしろ「最初から3でいいです」と思ったくらい（笑）。宮崎は人も優しくて大好きなところです。

うちの2番目の兄（三重ホンダヒートの李 承爀=スンヒョ）は“飛距離命”みたいなプレースタイルですが、僕はアプローチが好きです。得意クラブは52度とか。アゴの高いバンカーからチップインしたときは、自己肯定感に包まれましたね（笑）。あと、パットも好きです。自分で言うのも何ですけど、ちょっとセンスがあるかもと思っています。距離感も最初から割とつかめていて大オーバーとか超ショートとか、基本ないんですよ。でも、じゃあパターは何を使っているかと言われたら、ブランドも今、思い出せないです……ごめんなさい（笑）。全部お下がりなので、今後は自分に合ったクラブを選んだほうがいいかもしれないですね。クラブフィッティング、してみたいなあ。ウェアはアディダスです。アディダスのゴルフウェア、かっこいいんですよ。上手そうに見えますよね?

理想のゴルフは、家族と午後2時くらいからワイワイ9ホールを回るような気軽な感じです。笑いすぎてプレーにならないぐらいですけど。あと、将来、自分に子どもができたらプロゴルファーにするのもいいな。夢がありますよね。あ、その前に僕の100切りが先ですね（笑）。

李 承信

り・すんしん。2001年1月13日生まれ。兵庫県神戸市出身。ラグビー日本代表。コベルコ神戸スティーラーズ所属で、ポジションはスタンドオフ。日本代表キャップ数は11。ゴルフのベストスコアは102。「あと7年あまりで100を切る予定」

週刊ゴルフダイジェスト2024年1月9・16日合併号より