【今野康晴のアイアン上達法】#1 理想のターフ跡は浅くて長い「直角台形」
打った後にできる“ターフ跡”には、ヘッド軌道や入射角、フェース向きなど、最新の測定器顔負けの情報がぎっちりと詰まっている。「そういえば、最近アイアンの飛距離落ちてきたな……」なんて人はターフ跡を見れば一目瞭然、どこにエラーがあるかわかるはず。アイアン名手・今野康晴が、理想のターフ跡の作り方を教えてくれた!
PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/京葉CC、葉山国際CC
解説/今野康晴
ツアー界きってのアイアンマンとして知られる理論派のスウィンガー。最近はプロを目指す若手選手たちに技を伝える活動もしている。ツアー通算7勝
●CONTENTS●
1. 理想のターフ跡は「直角台形」
2. ハーフウェイダウンは「手を低く、ヘッドを遠く」
3.「切り返し」を肩から回していませんか?
4. 動きを染み込ませる「腰からドリル」
ターフ跡でインパクトの
良しあしが分かる
プロ界きってのアイアン巧者である今野によれば、ターフ跡はスウィングの“鏡”。ちなみに上の写真は右のターフ跡が理想的で、左はアマチュアにありがちな形だそう。
「アマチュアゴルファーの場合、まずほとんどが短くて深い形状です。フォローはヘッドがインに抜けるので、少しであれば問題はないですが、極端に(目標に対し)左を向いていることも多いですね」
確かに実際コースで見てみると小さく深い形状で左を向いたターフ跡がほとんど。では理想的なカタチとは?
「ドロー打ちであれば右が斜めの“台形”も良いですが、ストレートに近い球を打ちたければ、ずばり目標を向いた直角台形。底が平らで浅いのもポイントですね。アイアンショットはダウンブローが良いと言われますが、手先で無理に作ろうとすればターフ跡は深く短い形状になります。目標に対してスクエアにヘッドが入って球を押し込みつつ、最後に少し球をつかまえる『本来のダウンブロー』ができればこの形になりますよ」
ゴルフ場でよく見る4大ターフ跡
今野の言うとおり、目標より左を向いた(=アウトサイドイン)深く小さいターフ跡がほとんど。さらに、左側が目標と垂直で球がつかまりにくいターフ跡や、無理やり球をつかまえるためか、フェースを閉じて入れることで右手前が鋭角な、いわゆる「平行四辺形」に近いターフ跡も少なくなかった。
目標を向いた“浅い直角台形”が理想
●Point1 入り口(右側)がスクエア
ターフ跡の右側、すなわちヘッドが入る部分(入り口)が目標に対して垂直であれば、ヘッドがスクエアに入っているということ。
●Point2 目標に対して真っすぐ削れる
厳密にいえばヘッドは少しインに抜けるものなので、若干目標に対し左を向くのはOKだが、「インパクトゾーンは短いので目標を向きたい」と今野。当然カット軌道だと左向きが強まり、イン-アウト軌道だと右向きになる。
●Point3 出口(左側)はやや閉じた状態
ターフ跡の左側、すなわちヘッドが抜ける部分(出口)が目標に対して垂直だと球がつかまりきらず“右にフケる球”に。フェースがやや閉じた状態で抜けていく斜め形状になれば、球をつかまえられている証拠。
>>では、理想のターフ跡を作るにはどうすれば?
- アイアンでビシッと強い球を打つには、「浅い直角台形」のターフ跡が理想だという今野康晴。ここからは、理想のターフ跡を作るためのスウィングのポイントを教えてもらおう。 PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/京葉CC、葉山国際CC 解説/今野康晴 ツアー界きってのアイアンマンとして知られる理論派のスウィンガー。最近はプロを目指す若手選手たちに技を伝える活動もして……
週刊ゴルフダイジェスト2023年6月6日号より
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