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【青木翔のコーチング現場に密着】渋野日向子編 #3 “お腹”でクラブを動かし前傾を保つ

KEYWORD

気鋭のコーチ・青木翔のコーチング現場に密着したところ、やってきたのは渋野日向子。再タッグを組んだ2人が取り組んでいたこととは? 独占レポート!

PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/樫山ゴルフランド

アドレスの前傾角度をトップでも維持することで、これほどまでに手の位置が高くなる。前傾が垂直方向に起き上がってしまうと、連動してトップの手の位置が低くなり、ダウンブローに打ち込むことができない

青木翔
1983年、福岡県生まれ。12年にアカデミーを立ち上げ、ジュニアを中心にコーチングを行う。17年からプロ入り前の渋野日向子を指導。19年の全英女子OPではキャディとして渋野の優勝を支えた

渋野日向子
1998年、岡山県生まれ。18年プロ入り。19年には全英女子OPを制覇するなど5勝を挙げ大きく飛躍。青木コーチとは20年末にコーチ契約を解消していたが、昨年末、約2年ぶりに師事することとなった

●CONTENTS●
#1 トップの高さは関係ない
#2 理想の軌道をつくる2つのドリル
#3 お腹でクラブを動かし前傾を保つ
#4 笑うために戻ってきた

お腹でクラブを動かし
前傾角度を保つ

フラットなスウィング軌道を修正し、高いトップを作るために、青木コーチがもう1つ重視しているのがテークバックだという。

「上げたい場所や通したい軌道が頭の中にあると、クラブを手でその位置に動かそうとしてしまいます。でも体の感覚やコンディションは日によって、さらに言えばホールごとに変わってきます。だからトッププロであっても手の感覚だけで毎回同じ位置にクラブを動かすことはできないのです」

手の動きによってフラットな軌道を作っていた渋野は今、手元をあえて遅らせるくらいの感覚で、体の回転によってテークバックを引く動きにトライしているようだ。


「さらに高いトップを作るために必要なのがアドレスで作った前傾角度の維持です。体の回転でテークバックを始動させても、トップで前傾が起き上がってしまえば手の位置が低くなり横振りになってしまいます。しぶこはもともと前傾が起き上がりやすいという癖があるので、今はその点に気をつけています」

この上半身をねじり上げるトップは、これまでのトレーニングが生きているという。

「フィジカルトレーニングを重ねてかなり強い体になってきていますが、これまでは手でクラブを上げていたのでそのパワーが使えていなかった。右の腹斜筋を使えれば、今までよりも飛距離を伸ばせると思っています」

渋野の身体的特徴である長い腕とトレーニングを積んだ筋力が作る高いトップ。長所を伸ばす青木コーチが作る新たなスウィングに期待だ。

Point
右腹斜筋を伸ばすように使う

始動で腹筋を使うとクラブが体の正面から外れない

>>#4 笑うために戻ってきた

週刊ゴルフダイジェスト2023年4月11日号より