【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.124「ロングブレスが腰痛に効く? 半信半疑でしたが…」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Takanori Miki
僕が長いこと腰痛に悩まされたにもかかわらずこれまで手術をせんかったんは、したら最低でも1年間はゴルフができないとわかっていたからです。
それでも手術をせんと今なんとかゴルフができてるんは、10数年前にテレビで話題になった『ロングブレス』に出合えたからなんです。
ロングブレスは俳優で元甲子園球児の美木良介さんが、プロ野球選手を諦め、役者に転身後も何かと悩まされた腰痛を、少しでも緩和するべく理学療法士と一緒に考えたメソッドです。
10年ほど前に腰痛で悩んでいる僕は美木さんと『ゴルフダイジェストヘルス』の企画で対談させてもらい、ロングブレスの説明を受けましたが、そのときは失礼ながら、こんなもんで効いたら苦労せえへんわ、と思うて聞いてました。
それでも、まあ一応やるだけやってみるか思うて、毎日、朝夕2分ずつ、たまに昼も、教えてもらったことをやってみました。
やることは簡単な呼吸法で、丹田を意識してお腹をへこませ、息を鼻から3秒吸い、口から7~15秒吐く。要するに、息を強く長く「ブォー」と入れて出すだけなんですが、これがインナーマッスルに刺激を与えるいうわけです。
これを2週間ほど続けたら、当時、腰痛からきていたのか足に痺れが出ていたんですが、その痺れが取れたんですよ。それまではラウンドしておって12番ホールあたりにくると腰の痛みがひどくなり途中で棄権したりで、18ホールまともに回ることができん状態だった。でもロングブレスを続けるうちに、腰の据わりがようなったんか、腰の骨と骨がカチャカチャと当たっていたのが当たらずに収まっている感じになったんです。
インナーマッスルの腰の支えができたことで、炎症が治まったんでしょうね。痛みもそれほどでなくなり、またゴルフができるようになりました。だから美木さんにはすごく感謝しています。
腰痛はいろんな原因がありますから、何がいいかというんは一概に言えんので、ロングブレスをやれば誰でも腰の痛みがなくなるとは言いません。僕の場合、たまたまコレが腰の痛み緩和に合ったんやとだけ言うておきます。
「腰痛シリーズは今回で終わりです。悩んでる方も多い思います。自分で勉強して選択してくださいね」
奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2023年4月11日号より