【イザワの法則】Vol.67 スウィングは「左7対右3」で考えよう
伊澤利光「イザワの法則」
スウィングの主体は左手か右手かという議論は、かなり昔から繰り返されてきている。結局のところ、プロはどちらの手で振っているのか。あるいは、それぞれの手にどういう役割を持たせているのか?
TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

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左手は「かじ」、
右手は「エンジン」が
基本の役割
スウィングは左手を主体に振るのか、それとも右手を主体に振るのか?
よくアマチュアに聞かれる質問のひとつです。ジャンボさん(故・尾崎将司プロ)は、よく「右手が大事だ」と言って、手製のミニドライバーを使って右手だけでボールを打っていましたが、あれはどちらかというと右手強化の「トレーニング」の意味合いが強かったんだと思います。あくまでも、ジャンボさんの左手が、強化した右手に負けないくらい強かったということが大前提としてあって、その強い左手でプレーンを作って、さらに右手のパワーでボールを押し込むというのが、ジャンボさんの狙いだったということですね。やっぱりプレーンを作るのは左手の役割なので、左手で振る意識は必要だと思います。自分自身の感覚で言うと、スウィング中に使っている割合は、左手が7、8割、右手が2、3割といったところじゃないでしょうか。
スウィングの問題にもいろいろありますが、ボールが曲がるというのはほとんどプレーンの問題ですから、そういう人はとくに左手の意識を強くして振るほうがいいと思います。左手だけで振るのは難しいのでおすすめはしないのですが、試しにやってみるとほぼカット軌道に「ならない」ことがわかると思います。つまり、スライスする原因のほとんどは「右手」ということですね。
器用さの分野では
右手の役割が
グンと大きくなる
これが、ある程度真っすぐは飛ぶけど飛距離が出ないという人の場合は、もう少し右手の意識を強くして振る必要があるかもしれません。いくら「左手が8割」といっても、プロだって左手の力だけで300ヤード飛ばすのは不可能ですから、そこはバランスよく右手を交ぜて振る必要があるわけです。
左手を強くしたり、右手を強くしたりというのを繰り返しながら、自分にとってちょうどいいバランスを探すのがいいでしょう。「強く」というのはあくまでも割合の話で、グリップをギュッと握る強さのことではありません。グリップを強く握り締めるほど、どちらの手も「悪さ」をし始めるので注意してください。
プロの中には、右利きなのにあえて左手で箸を持ってご飯を食べたりして、左手の感覚を強化している人もいます。ですが、私個人の意見としては、左手に関してはそこまでの「器用さ」は必要ないんじゃないかと思います。あくまでも左手の役割はプレーンを安定させることで、そのための強さがあればいいということですね。そのうえで、器用さが必要な部分は右手に任せればいいわけです。
それと、よくプロが「片手打ち」の練習をしているので、「片手打ちはやったほうがいいかどうか」を聞かれることが多いんですが、私はあまりおすすめしません。プロのやっている片手打ちも、スウィングの何かを向上させるためというより、左右の役割の「確認」の意味合いが強いような気がします。それより、なるべくゆるく握って軽く打つ練習のほうが、スウィングをよくする効果が高いのでおすすめですね。

それぞれの役割を理解する
プロの片手打ちの効果を感じたいのなら、左右のグリップをできるだけゆるく握り(10 段階で2、3程度)、腰から腰の振り幅でボールを打つのがいい。左手でプレーンを作り、右手でボールを押し込むという役割の違いを感じられる

伊澤利光
1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中
月刊ゴルフダイジェスト2026年6月号より


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