【キミこそ王子だ】Vol.278 夢は“冠トーナメント”を持つこと!? 芯の強さが魅力の四国女子アマチャンプ
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は香川県出身、さぬき市立志度中学校3年の菊田ひなさんだ。今年5月に開催された「四国女子アマチュアゴルフ選手権」で優勝した彼女のスウィングはいかに!?
今回の王女候補
菊田ひなさん
きくた・ひな ●主な戦歴/2022四国女子アマ選手権優勝 ●ベストスコア/67(吉備CC) ●練習/300~1000球(毎日) ●トレーニング/階段ダッシュ・砂浜ダッシュ(週2回)
ゴルフ好きでシングルハンディの腕前を持つ両親の影響で小2からゴルフを始めた菊田ひなさん。
今年、中3ながら「四国女子アマ」を制した逸材だ。
スウィングを見た武市は「完成度がめちゃくちゃ高い!」と驚く。練習熱心で、毎日300球~1000球打つというひなさん。
「練習好き?」
「好きじゃないけど負けたくないからやってます」とキッパリ。
「どんなことを意識して練習しているの?」
「手がこの位置にきたら、ヘッドはココというように、コーチが体やヘッドの動きを細かくチェックしてくれるので、それを意識しています。あとはミート率を上げるためにコンパクトなトップを心がけています」
「ボクも同じドローヒッターだから言えるけどひなちゃんのドローは質が高い! ポイントは2つ。ひとつは左腕が内旋しながらバックスウィングし、トップで左手を掌屈させレイドオフのカタチになること。ふたつ目は、前傾角度が変わらず手元が低い位置を保ったままインパクトすること。まさに、レイドオフ×シャローイングのお手本のようなスウィングだよね」
“旬”とも言われるスウィングを、見事に体得しているひなさん。ボールは低スピンでランも出るので、飛距離は中学生ではトップクラスだ。
「ここまで完成度を高めるのは難しいこと。普通はダウンスウィングで腕に力が入り、どうしてもカット打ちみたいになっちゃう。その点、ひなちゃんは柔軟性があり、肩甲骨の可動域が大きい。だから、手元を低く下ろすのがすごく上手だよね。下半身も安定感があるから振り遅れもまったくない。グリップもアドレスもキレイだから、プロになっても迷走することなく順調に活躍すると思う」
と武市は賛辞を送った。
そんなひなさんの夢は、みんなに愛されるプロになること。
「私は小さいころから、常にオンリーワンの存在になりたいと思っていました。だからコーチにも『私以外のジュニアは教えないで』って言ったり」
「え! 小学生のとき?」
「はい。両親が仲良くしていると嫉妬したり、独占欲が強いのかも(笑)。だから、ゴルフでもみんなに注目され、みんなに愛されるプロになりたいんです。たとえば、頭に名前がついた試合がありますよね。『宮里藍サントリーレディス』とか。そういう存在になりたいんです」
「ひなちゃんオモシロイ!」
「もちろん勝負の世界なので、ナンバーワンにならないと、オンリーワンになれないかもしれません。だとしたら、そのために頑張ります!」
「こんなに具体的に夢を語ってくれたジュニアは初めて。でも、スウィングもキレイだし、芯のある性格もプロ向き。夢を叶えられると思う!!」
数十年後、“菊田ひな〇〇〇トーナメント”が開催される日を楽しみにしたい。
週刊ゴルフダイジェスト2022年7月26日号より