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ゴルフ歴わずか2年! 9歳の少女がつかんだ「オーガスタ」への切符

2年前に里親制度で新しい両親に引き取られた9歳の少女が、マスターズに先立って行われる「ドライブ、チップ&パット」への出場を決めた。

オータムちゃんは、7歳でダニー&ジェイミーのソールスビー夫妻の養女になった。ゴルフ好きの新しい父と祖父に連れられコースへ行き、球を打つと、瞬く間に夢中に。その場を離れたくないとだだをこねた。

「まったくの初心者だし、ゴルフがイヤならクラブハウスで美味しいものでも食べさせよう」と両親は思ったが、その心配は杞憂に。初歩的なことを教えると、すぐにそれを真似て器用にクラブを振り始めた。

ゴルフに魅せられた少女は、テレビで世界ジュニア出場を目指す子供たちのドキュメンタリー番組を見て「自分もあの舞台に立ちたい」とひと言。それを聞いた両親は、彼女をパインハーストで行われるキッズゴルフキャンプへ連れて行くことにした。キャンプを体験した娘は母に「いつか世界でベストなゴルファーになる」と宣言した。

昨年6月、彼女は初めてキッズ向けのトーナメントに参戦。9ホール「59」の結果に終わったが、わずか2カ月後には年齢別大会で優勝するまでに。表彰式では「お父さんとお母さんに感謝します」と泣き崩れたオータムちゃん。涙の理由は、養父母の愛情とゴルフが自信を与えてくれたことへの感謝だった。

そして21年、両親はオーガスタナショナルとUSGA、PGAナショナルが主宰する7歳から15歳の少年少女がゴルフに必要な3つの要素を競う「ドライブ、チップ&パット」の存在を知り、さっそくエントリー。数万人の参加者に交じって地区予選、全米予選を勝ち抜き、大会本番への出場権を獲得した。

2年前にはクラブを触ったことさえなかった少女は、ゴルフを通じて人々と出会い、自信をつかんだ。「いいショットを打つとスカッとします」。本番でも爽やかなプレーを見せてくれるに違いない。

ゴルフを始めて2年足らずであのオーガスタへ! 両親の感慨もひとしおに違いない(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月21日号より