Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【キミこそ王子だ】Vol.253 パワフルなスウィングで飛ばす北海道の女子高生

【キミこそ王子だ】Vol.253 パワフルなスウィングで飛ばす北海道の女子高生

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、北海道出身、北星学園大学付属高等学校2年の島田ゆらさん。見た目は華奢だが、道内の大会では何度も優勝したことのある強者。武市が詳しく解説する。

今回の王女候補
島田ゆらさん

●主な戦歴/2021 北海道女子アマ選手権4位タイ ●ベストスコア/69(新千歳CC) ●練習/毎日2時間200球 ●トレーニング/ランニング20分(毎日)


4人兄弟の次女として育った島田ゆらさん。先にゴルフを始めていた兄姉の影響で8歳のときにクラブを握る。実は、島田家は家族も親戚もゴルファーが多いゴルフ一族。先週当コーナーで紹介した島田温太くんとは、いとこ同士で同い年。高校は別々だが、中学は一緒だったという。

二人はともに、北海道の大会では何度も優勝している、注目選手だ。

「やっぱりゆらちゃんにとって温太くんは、ライバル的な存在なの?」

「まったく気にならないわけではないですが特別ライバル視しているわけではないです。お互いがんばろうみたいなフラットな関係です(笑)」

そんな、ゆらさんのスウィングは、華奢な見た目から想像できないくらいパワフル!

武市も「浅い入射角で振り抜いていくのが特徴。なのでスピン量が少なく、飛距離も方向性も安定している」と絶賛。

話を聞くと、いまのスウィングに落ち着いたのはつい最近のことで、もともとは、上から打ち込むスウィングだったという。

「え、そうなの? ダウンブローだった片鱗を微塵も感じさせない、思い切りがいいスウィングだよ」

「ありがとうございます。ちょっと前までは、ダウンスウィングで右ひざが出てしまうクセがあって、アイアンだとターフがガッツリ取れるタイプでした」

「ヘッドが深く入りすぎていたんだね。いまは、アドレスからずっと右サイドが左サイドよりも低いまま振っているから、ターフもほとんど取れない。どんな練習をして改造したの?」

「ティーを高くして、ボールだけを打つ練習をしました」

「右軸を意識して打ってる?」

「はい」

「なるほど。ティーを高くし、上から打ち込みにくい状態をつくりつつ、ダウンで右サイド、特に右足を踏ん張る。そうすると、頭も右に残るから、アッパーに振ろうと思わなくても、クラブが自然と上に上がっていくもんね」

ヘッドの入射角を変えるのは意外と難しいことだが、それを短期間で成し遂げ自分のものにしてしまう能力はさすが。あらためて、ジュニアゴルファーのフレキシビリティの高さに感心する武市。最後に将来の展望を尋ねると「ゴルフ部のある大学に進学し、同年代の友達から刺激を受けたい」と答えてくれた。

北海道エリアは、やはり関東、関西、九州などに比べるとジュニアゴルファーの人数は少ない。ゆらさんの高校にもゴルフ部はなく、ずっと個人でがんばってきたこともあり、そのような考えに至ったのだとか。

「そういうモチベーションなら、大学でもうひと皮もふた皮もむけそうだね。がんばって」とエールを送る武市。数年後の彼女が楽しみだ!

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月13日号より