【次世代の星・長﨑兄弟】<後編>「最終目標はPGAツアー。チャンスを自分で作りながらやっていけば自然と進む道は見えてくると思います」
週刊ゴルフダイジェスト
今、注目のアマチュア、長﨑兄弟。弟・大星はJGAナショナルチームでも活躍し、現在日本アマチュアランク1位、兄・煌心も全国大会で常に上位に入る逸材だ。前回に続き話を聞いた。
PHOTO/HiroyukiOkazawa、Yoshihiro Iwamoto、Tadashi Anezaki THANKS/フェニックスゴルフアカデミー

(写真右)長﨑大星 ながさき・たいせい。2009年生まれ。勇志国際高1年。164cm・63㎏、О型
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- 今、注目のアマチュア、長﨑兄弟。弟・大星はJGAナショナルチームでも活躍し、現在日本アマチュアランク1位、兄・煌心も全国大会で常に上位に入る逸材だ。「星が煌く」ごとくゴルフ界に現れた2人に話を聞いた。 PHOTO/HiroyukiOkazawa、Yoshihiro Iwamoto、Tadashi Anezaki THANKS/フェニックスゴルフアカデミー (写真左)長﨑煌心 ながさき……
――2人に自分のスウィング解説をしてもらうと、鋭い自己分析を流れるように話してくれた。
煌心 アドレスではスタンスも肩も若干クローズ。小さい頃からドローヒッターだと思って練習していましたが、ウィークグリップなので逆にドローを打つほうが難しい。トップを高くして、右に振り抜く動作でドローを打っていました。でもやっぱりフェードが得意で。今は、ドローが得意なフェードヒッターになりたい。結構右サイドベントが入るのでケガにつながるし、そこでロスが生まれる。中嶋(常幸)プロにも、お前にはフェードがいいと言われましたから、そこは変えていきたい。
もともと弟と比べてもリストワークは大きい。よく弟と真逆みたいに言われます。僕が大星のスウィングしようとするとケガをする。なかなかあの動きはできないです。また、僕は下半身が強いほうだと言われますが、上半身の強さと比例してなくて、下半身のパワーを上半身で受け止められてなくてムダな動きが出てしまう。上半身をもっと強くすることが課題です。
煌心のスウィング
「ウィークグリップなので、トップでクラブが外側に上がりがちで、少し軌道から逸れる癖が出る。腕が長いので、トップもフォローも高く上がる。フィニッシュも高くてカッコ悪いからもう少し綺麗にたためるようにしたい」
大星 まず僕の特徴的な点はフックグリップ。トップではフェース面が後ろ側を向いていて(クローズ)、レイドオフ気味。この利点は、フェースの開閉がないから球をつかまえやすく、上げたら下ろすだけでいいところです。なおかつゼロパス(クラブパスが真っすぐに近い状態)にできるというのが自分の強み。これで真っすぐな球が出やすいので、そこも自分のよさですね。
あとは、アタックアングルが強めに入る傾向にあるので、海外など硬い芝に適応しやすいとも思います。極限まで安定する動きでパワフルなスウィングをしていくことが僕の魅力だと思うんです。また、軸足の左足が強いとトレーナーにも言われて、左足を生かす動きをしようとしましたが、それだけではブレが生まれるので、左足を生かしつつ、右足で支えるという動きができたらもっと安定するはず。体への負担も減ると思うし、パフォーマンスも上げていけるんじゃないかなと思います。
大星のスウィング
「アドレスはグリップ以外はベーシック。右にも左にも向かずにストレートが基準。ボールを打った後はギリギリまでフェース開閉をしない意識でやっているので、その先のフォロースルーでは手を返す意識が強くなります」
――体型はもちろん、スウィングも真逆なら、性格もまったく違うらしい。自分のスウィングはどうやって作ってきたのか。
大星 自由にやってきた。形から習うこともなかった。中学から自分の強いところや弱いところをいろいろと考え理解し始めて、個性を出して強いところを生かしていこうと。フェニックスの榑松(陽介)コーチと中嶋プロと、あとは(クレイグ・)ビショップさん(ナショナルチーム監督)と話し合って、いじるところはいじる。自分だけの思考だと偏るので、いろいろな方向からの意見を聞いて、こう言われたけどどう思いますかとまたいろいろな方向に投げかけて、結果的に自分がやっていいのか悪いのかを決めます。
煌心 始めた頃は、フェニックスのプロの方に基本の握り方やボールの位置などを習っていて、自分の個性を生かしながらですけど、今は宮崎のティーチングプロに、グリップの握りなど変えたいところや気になるところは中嶋プロに相談します。1番は自分がどうしたいか、どうなりたいかを優先し、それをプロたちに相談していきます。
――個性を生かしながら、自分で考える姿勢は、共通する。お互いのスウィングでいいところは?
大星 僕にはありすぎるからな。
煌心 シンプルにプレーンが綺麗ですよね、軸もしっかりしていて、この身長でしっかりと下半身、体を使えて、綺麗なプレーンで力強く打てているなと思います。
大星 うーん。いいところ……そうですね。まあ、ロングアイアンなどがショートアイアンっぽく打てている。それらを均一にして打つことは難しいですし、僕は体格が小さいほうなので、やっぱりロングアイアンは難しい部分が出てくるんですけど、そこを同じように打てているのはいいところじゃないかなと思います。
――参考にするプロたちの情報源は、YouTubeやインスタなど。好きなスウィング、憧れたり取り入れたりしている選手は?
煌心 参考にしているのは松山英樹プロの技術や発想。同じウィークグリップでもありますし、フォースタンスも同じA1で、似ていると言われる部分があるので。好きなスウィングはやっぱりタイガーみたいな綺麗なスウィングです。平田憲聖プロもよく見ます。ダウンスウィングからインパクトの体の使い方がすごくしなやかで、低い場所から上手く力を持ってこられているなと思います。

「フェードが得意なドローヒッターに」(煌心)
「ダウンで若干サイドベントを入れながら手首を多く使うので、フォロースルーでは手の甲の向きを気にする。ドローでは下に返っているように、フェードでは自分のほうを向いたままの意識です」
大星 スウィングで一番参考にしているのは、アレックス・ノレン。動画で見ましたけど手の豆、えぐいっすよ。彼の軌道がめっちゃよくて、あのスウィングにしたいんですけど、ビショップさんに「お前のスウィングとは全然違う」と言われて。でもシンプルですし、僕とはグリップもフェースの開閉の仕方もまったく違うんですけど、プレーンなどは参考になります。あとはジャスティン・トーマスとマキロイ。マキロイはまずグリップが似ているし、小柄で飛ばしていることには何か理由があると思うので、そこは何かつかんでやろうといつも見ているんです。トーマスは、手が高いポジションで取れているので、僕はレイドオフなんですけど、そのなかでも高い位置にもっていけたらもっと飛ばせるのかなと、そこをよく見ています。
アプローチだったらジェイソン・デイが綺麗ですし、アンソニー・キムのアイアンは、プレーンの形がすごく綺麗なので参考に。パットもアンソニー・キム、キャメロン・スミス、フリートウッドあたりがいいですし、あとはジャスティン・ローズが、あの年で地面反力などを使って絶頂期にもってこられていることがすごいです。パッティングも本当に上手い。でもみんな、その人と同じ動きをしようとしますけど、僕はその動きを自分にどう当てはめるか、一度かみ砕いて取り入れるから、割とスッとできます。あ、昨秋にPGAで勝った400ヤードくらい飛ばすマイケル・ブレナンも。あのスウィングの綺麗さで破壊力もあるから。一緒に世界アマで回ったプレストン・スタウト(世界アマランク4位)のスウィングとめちゃくちゃ似ていて、細身なのにあれだけパワーが出るのは自分にはないところだし。
フィニッシュはしっかり取る(大星)
「スウィングをフィニッシュから戻してイメージするので、逆にフィニッシュをスリークオーターくらいで止める動きが苦手です。軽く振るときにも、フィニッシュはしっかり取りにいきます」

――ちょっとやんちゃに見える弟と、冷静にあたたかく見守る兄。まったく違うが何だか仲がよい。
大星 僕たち、タイプは全然違うと思います。でも、よく見た目と逆と言われますよ。考えてそうで考えてないのと、考えてなさそうで考えてるのと(笑)。
煌心 そんな感じですね。ははは。でも大星は、よくこの年にして、先のことを考えてるなと思います。
大星 煌心の強み……何だろう(笑)。考えるのは苦手だけど、答えを出そうと考えることはいいんじゃないかなと。結局は違う回答になっているけど。
煌心 はは……上から目線やね。
大星 ライバルだとかは、そんなに深く考えたことはないですね。
煌心 でもやっぱり負けたくはない。家でもゴルフの話はしますよ。
大星 だいたい煌心が悩み散らかしているんで。見たら僕はここが悪いとわかるんですけど、やっぱりそれを僕が言うと成長にならないから「悪いところが2つあるよ」なんて言って終わらせます。アライメントくらいなら言っていいですけど、その他のことは自分で気づいて考えて解決してほしい。
煌心 はは。めっちゃダメ出しだけして何が悪いとは言わないから、参考にはならない。でも逆に「2つあるよ」と言われたほうが嫌。また悩みますから。そういえば大星は、両親などからはメンタルが弱いといじられていました。前までは「お豆腐メンタル」というステッカーを貼っていたんですよ。
大星 絶対弱くないはずなのに……言われがちなんですよ。
煌心 九州人なので、最後は根性みたいなところもあるんです。
大星 自分でも中1、2くらいはメンタルが弱いと思ってたけど、最近になって、「メンタル強いんじゃないか」と思い始めています。
煌心 僕は、強いというか、どうにかなりそうな自信はあるんです。最後の1mのパットなんかでも、「入るやろう」みたいな。

宮崎のフェニックスは家!?
常に練習場にいて、トレーニングもしっかり行う兄弟。弟は兄を褒めることをはぐらすが、兄は「周りよりずっと考えている。そこが大星の強みだと思います」ときっぱり
――今春から、煌心は東北福祉大学への進学が決まっている。大星は、高校卒業前後のプロ転向だけでなく、アメリカの大学進学も視野に入れている。
大星 五分五分ですね。
煌心 僕も大星の話などを聞いていると、アメリカの大学に行きたいと思ったんですけど、資金面の問題や、その道がはっきり見えてこなかった。東北福祉大の見学に言ったら、環境や先輩たちの存在もいいなと思い選びました。仙台で寮に入りますけど、たぶん何とかなります。遠征などでは1人のこともありましたから。
大星 果たして4年間アメリカでプレーするのが重要な意味を持つのか、もし高3で日本でトップ争いできるような位置にいれば、確実にそちらから行くほうがPGAに行けるかなとも思いますし。
――2人とも最終目標は、もちろんPGAツアーだ。
大星 やっぱりPGAで活躍したい。プロになって成長していくより、しっかり成長してからプロになったほうがいいよとナショナルチームの先輩からもよく言われるので、そちらのほうがいいかもしれないですけど。
煌心 まずはナショナルチームに入ってゴルフを学んで、在学中にツアーで優勝して、ということが目標でもあるんです。もちろんPGAツアーは最終目標。今、道はたくさんある。チャンスを自分で作りながらやっていけば自然と進む道は見えてくると思います。
大星 PGAはピンをガンガン、パワフルに攻める人もいるし、コリン・モリカワ選手みたいに、落ち着いたプレーでコツコツ上に行く選手もいる。いろいろとレベルが高いプレーが見られるし、賞金も高いし多くのギャラリーのなかでできるとことが本当に楽しそうです。
煌心 そうですね。迫力とか賞金額とか、夢もロマンもあります。でも一番は盛り上がり方ですね。
――最後に、座右の銘を聞くと、“らしい”答えが返ってきた。
大星 ナショナルチームだからJKG(just keep going)しかないですよ。僕はよくインスタにTKGと上げるんです。たいせい・キープ・ゴーイングです。卵かけご飯ではないですよ。たいせいかけご飯でもないです(笑)。
煌心 不撓不屈です。何があってもくじけず屈せず。探して“スクショ”していました。
――ゴルフもキャラも魅力的な長﨑兄弟。これからも注目していこうではないか!
一番勝ちたい試合は、2人とも「マスターズ」。「その次はザ・プレーヤーズ選手権、ツアー選手権、フェニックスオープンです」(大星)「ダンロップフェニックスは? 宮崎だから入れておかないと」(煌心)


世界の長﨑(煌心)Big Star(大星)
どんなプロになりたいか夢をボールに印字。「苗字は家族全員につながっている。その力とともに有名になりたい」(煌心)「ビックスターです」(大星)
週刊ゴルフダイジェスト2026年2月10日号より


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