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【キミこそ王子だ】Vol.363 世界を見据えて研鑽を積む将来が楽しみなシンプルスウィンガー

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は東京都出身、和歌山市立有功中学校2年の矢田賢司くん。昨年『関西ジュニアゴルフ選手権』を制した、究極にシンプルで効率的なスウィングにほれぼれとする武市。

今回の王子候補

矢田賢司くん

やだ・けんし ●主な戦歴/2025 関西ジュニアゴルフ選手権12~14歳の部優勝 ●ベストスコア/64(Kochi黒潮CC) ●練習/毎日2時間150球 ●トレーニング/毎朝ジャンプやラダー


賢司くんがゴルフに興味を持ったのは7歳。先に始めていた兄が持っていたキャディバッグがカッコよく「ボクも欲しい」と思ったのがキッカケだ。その後、中学2年の昨年『関西ジュニアゴルフ選手権』で優勝するまでに成長した。

現在は縁もありより良いゴルフ環境を求めマレーシアに住んでいる。両親ともに留学経験があり英語が達者なことから、賢司くんも幼い頃からグローバルな視点を持っている。

「やっぱりPGAに憧れる?」

「米ツアーにこだわってるわけではないのですが、海外でプレーしたいと思っています」

「なるほど、世界中がフィールドって感じかな。本当の意味でグローバルでカッコイイ!!」

「いや、そんなことないです(笑)」

そんな賢司くんのスウィングだが、武市いわく「めちゃくちゃシンプル」。


まず気になったのが、カーボンシャフトのアイアンを使っていること。

「これまで取材した男子ジュニアではかなりレア。もしかしたら初かも」

「え、そうなんですか? ボクはカーボンシャフト以外、使ったことありません」

「軽いからスウィングがシンプルになるよね。昔はお父さんのスチールシャフトのアイアンを短く切ったものを与えられ、それでゴルフを始める人が多かった。子どもには重くて扱いにくいし、短いぶんだけフレックスも硬く感じるわけ。だから力んじゃう。でも最初から体力に合ったクラブでゴルフを覚え、さらに今でも無理せず自然に振れるクラブを使っている賢司くんのスウィングは本当にシンプル。アドレスで腕と胸を一体化させ、あとは体をクルッと回転させるだけ。そのなかで特徴的なのはダウンスウィングの切り返しのちょっと前でお尻を下げるアクションなんだけど、これは意図的にやっているの?」

「そうですね。ダウンスウィングで右ひざが伸びたり送り込みが早くならないよう少し粘らせることを意識しています」

「なるほど。クラブがインサイドから下りやすくなるしパワーも出しやすいね。それにしてもシンプルな振りで最後まで体の正面からクラブが離れることがないからフェース面も常にスクエア。軽いドローで安定感バツグン!」

「ありがとうございます」

「ひとつ気になることがあるんだけど……足が“でら”大きくない?」

「29センチです」

「え!! ボク24.5センチなんだけど(笑)。足が大きいとボクの目にはスウィングの安定感にプラスの効果があるように見える。うらやましいわ~」

まだ中2なので、体の線は細いが長身なので成長し筋肉がつけばまたネクストフェーズに突入しそうだ。

「心・技・体、すべての面で成長が期待できる選手だと思う。世界中を股に掛けて活躍するスケールのデカイ選手になってほしいな~」と期待を膨らませる武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2026年1月20日号より