【競技ゴルファー・タニシゲ】Vol.39 いざ関東ミッドアマへ! 果たして結果は…?
競技ゴルファータニシゲwith青木翔
和田一浩との対決をドローで終えた谷繁元信。そして、いざ関東ミッドアマチュアゴルフ選手権の舞台・鳩山CCへ! 昨年、同会場で行われた同大会ではスコア「76」で、マッチングスコアにより予選敗退した。そして、今年。結果から言うと谷繁は「82」を叩き、日本ミッドアマには進むことができなかった。以下は、大会後の編集部とのやり取りだ。
PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/カレドニアンGC

青木翔 1983年福岡県生まれ。2019年渋野日向子を全英女子オープン優勝に導いたコーチ。2020年、「レッスン・オブ・ザ・イヤー」受賞。ジュニアから一般アマチュアまで幅広く指導。「六甲国際ゴルフアカデミー」校長
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- 元プロ野球選手の谷繁元信が「ベンちゃん」こと和田一浩と対決しながらさらなるスキルアップを目指すシーズン3。ベンちゃんこと和田一浩との3Hストローク勝負はドローに終わった。2人の勝負師・谷繁と和田は延長してでも決着をつけたいような雰囲気を醸し出していたが、時間の都合であえなく終了。今回は対決&レッスンで得た2人の“学び”をおさらいしていく。 PHOTO/Hiroyuki Okazaw……
モヤモヤの正体と
新しい挑戦の予感
谷繁 スタートから4連続ボギーという発進で、それでも粘って、前半はなんとか40。それでも後半をパープレーできたらまだ可能性があると思って心を奮い立てていたんだけど……。
編集部 後半も「42」で、スコアを落としてしまった。
谷繁 10番、11番とパーオンできなかったけど、なんとかパーを拾えたんです。それでパー、パーで迎えた13番パー3。ここで7を叩き、ジ・エンドでした。
編集部 何が起きたんですか?
谷繁 OBです。しかも、セーフに見えたからグリーンに向かったんですが、行ってみるとOBで、急いでティーイングエリアに戻って打ち直し。ギリギリだったのもあって気落ちしたうえ焦りも出て、そこからガラガラと何かが崩れるような感じがしました。もう立て直せませんでした。
編集部 練習場では調子が良さそうに見えましたが……。何が悪かったんでしょう。
谷繁 ラウンドを通じて“しっくりこない感”があって。スウィングもストロークもそう。いい当たりをすることももちろんあるんだけど、その奥にはモヤモヤしたものがあって。でも、その正体がわからない。実は、この1年、ずっとそんな感覚があったんだけど、原因がわからないまま本番を迎えてしまって、自信がなかった。自信がないから熱量も上げられなくて。そんな状態で予選に通るほど甘い世界じゃないですよね。
編集部 気持ち悪さの根本にあるものを追究すべきだったのかもしれないですね。青木コーチに徹底的に相談したりして……。
谷繁 遠慮しちゃったね。この1年、モヤモヤを抱えたまま、だましだましのプレーを重ねてしまった。変に器用なところがあるものだから、それでもどうにかなっちゃってたんだよね。でも、このモヤモヤというか“しっくりこない感”、実は野球でもたびたびあって、それに向き合って解決してきた経験はあるんです。どれだけ練習しても経験を積んでも、そのたびに新たな“カベ”が現れるんです。で、それを何度も乗り越えてきたから、今があるんだけどね。
編集部 野球でもそんなことがあったんですね。
谷繁 ありますよ。「つかんだ」と思ったものを手放し、手放したものをまたつかむ。再びつかむときはバージョンアップしていることもある。
編集部 簡単に手に入れたものは簡単に離れていきますよね。イージーカムイージーゴー。
谷繁 そうそう。野球ではできたことだったんだけど、ゴルフは難しいね。そして俺はいかにもアマチュアだね。
編集部 競技ゴルフ、もう嫌になっちゃいました?
谷繁 それがそれが。今、めっちゃ練習に行っているんですよ。だから、まずは“しっくりこない感”“気持ちの悪さ”を解消したいですね。今がどん底だと思えば、あとは上昇するだけ。手放したものをまたつかむため、練習あるのみ。ゴルフには、いろんな要素があって、体調や運も関係すると思うけど、まずは技術があること。それがベースでしょ。俺はまだそれが足りない。いや、もう82とか打ちたくないの。来年は「今日は叩いちゃった」で、77、78。調子が良ければパープレー、そんな感じでいきたいね。
谷繁の予選敗退を受け、青木コーチは……。
青木 技術を上げると同時に自分の目線を上げることが大事だと思います。これは、谷繁さん本人が一番わかっていらっしゃることだと思うのですが、打つ技術だけの話ではなく、それに見合った練習をしているのか、思考がついていっているのか。そのあたりが成長のカギになるのではないでしょうか。僕はコーチとして不甲斐なく、申し訳ない気持ちでいっぱい。でも……これに懲りず、また呼んでください(笑)。
さまざまな人の思いを背負って表舞台に立ってきた男、捕手としてNPBで3021試合出場のギネス記録を持つ男……谷繁元信の新たな挑戦はすでに始まっている。

関東ミッドの予選通過はならなかった谷繁。「つかんだ」と思ったものを手放し、また取り戻すゴルフ道の先は長い
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月18日号より
CS放送のGAORAでは「谷繁元信×青木翔の勝つゴルフノート」がオンエア中


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