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【キミこそ王子だ】Vol.354「ゴルフが好きすぎてまったく苦にならない」食事や睡眠、体づくりまで気を使う将来有望な14歳

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は宮城県出身、大和町立宮床中学校2年の広澤敬也くんだ。抜群の打撃センスと、元陸上選手の父親直伝の自己管理術で東北トップとなった敬也くんに武市脱帽!

今回の王子候補

広澤 敬也さん

ひろざわ・たかや ●主な戦歴/2025 東北ジュニアゴルフ選手権12~14歳の部 優勝 ●ベストスコア/65(ヨネックスCC) ●練習/打撃150球+アプローチ&パター1時間(週5日) ●トレーニング/自重トレーニング(週1回)


今年6月に行われた「東北ジュニアゴルフ選手権」で優勝した広澤敬也くん。夏休みのある日、練習中の敬也くんをキャッチすると武市は開口一番叫んだ。

「いい球打つね〜!」 

ゴルフを始めたのは3歳のとき。以後、地道な練習と徹底した自己管理でメキメキと腕を上げた。ベストスコアは中2にして65!

「見るからにストイックな感じだね」

「父が元陸上選手だったので、生活習慣の面でいろいろアドバイスもらってます」


「たとえばどんな?」

「球を打つのは週のうち5日にしています。残りの2日はあえてクラブを握りません。休みがないと体力が回復せず練習の質が下がるからです」

「確かに! クラブを握らない日は何してるの?」

「塾や体力づくりです。睡眠もしっかり取ります。夜9時に寝て、朝6時に起きます。あとは、インスタント麺や炭酸飲料はなるべく控えてます」

「素晴らしすぎる。成功しているアスリートは才能だけじゃなくて自己管理能力に長けてるもんね。じゃ、好きな食べ物は?」

「鶏肉です」

「根っからのアスリートだね!」

もともとSNSも興味がなく、ほとんど見ないそうだ。

「ボクが中2のときを振り返ると、もちろん打撃練習はしていたけど、自己管理についてはゼロだったから、ほんと頭が下がる。敬也くんは、それだけでなく打撃センスも抜群だし、そりゃ強いわけだ」

ドライバーの飛距離は約240ヤード、球筋はほぼストレート。その正確性に武市は舌を巻いた。

「スウィングスタイルは時代のド真ん中。左軸でアームローテーションが少ないタイプだね。アドレスで左手、左足をセットし、最後まで体重を左に乗せたまま回転するのが特徴。上下動がほとんどなく手も使わないからフェース面がブレにくい。だから本当にビックリするくらい真っすぐ飛ぶ。そのなかでボクがいいなと思ったポイントはアゴの向き。左足の上で回転すると、つられてアゴも左を向いてしまいがちなんだけど、敬也くんはずーっと右を向いたまま。それの何がいいかと言うと、インパクトからフォローにかけてヘッドと頭が引っ張り合う形になる。つまり、力が逃げないってわけ。体はまだまだ細いけど、しっかり飛ぶのはこの形をキープしているからだね。リズムもいいしフェース管理も上手。素晴らしすぎる」

「ありがとうございます」 

底知れぬ才能を感じる武市だったが、ちょっと心配も……。

「ストイックな生活は疲れない? ゴルフ以外の趣味は?」

「ゴルフが好きなので、まったく疲れないです」

「なるほど! それも素質だね」

「あ、野球は見ます。ヤクルトファンです」

「東北楽天じゃないんかーい(笑)」 

最後に意外な一面を見せてくれた敬也くん。今後の活躍が本当に楽しみだ。

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月9日号より