【キミこそ王子だ】Vol.351 クラブの自然な動きを邪魔しない! 安定感バツグンのスウィングの持ち主

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は愛知県出身、岡崎城西高等学校2年の内田心菜さんだ。今年「中部女子アマ」3位のほか、中学時代も全国中学校で2位など注目の選手。スウィングを見た武市は極めて自然だと絶賛!

今回の王女候補
内田 心菜さん
うちだ・ここな ●主な戦歴/2025中部女子アマチュアゴルフ選手権 3位タイ ●ベストスコア/67(静岡C浜岡C) ●練習/毎日200球 2時間 ●トレーニング/初動負荷トレーニング 週2~3回
父親のすすめで小2からゴルフを始めた内田心菜さん。最初はちっとも楽しめず、なんとなく続けていたが、小5のときに転機が訪れた。
「試合に出たら自分より上手な子がたくさんいたのが悔しくて、闘志に火がつきました」
その後、同じ愛知県出身の権藤絋太プロにレッスンしてもらうようになり、そこからゴルフにハマっていったという。
「権藤プロは遠くに飛ばすだけでなく、いろいろな打ち方を教えてくれました。それで、ゴルフって奥深いな〜と感じ、さらに楽しくなりました」
中学からは、さらなる飛躍を目指し、権藤プロが信頼する森岡賢コーチの元へ。現在、愛知から兵庫まで通っているそうだ。
「森岡コーチはいろんな練習器具を使うので、楽しいです。たとえば、スケートボードの上に乗って素振りをしたり」
「なんか楽しそう(笑)」
果たして練習の成果は!? スウィングを見た武市は
「“ゴルフは物理”って言うけど、心菜ちゃんは、その真理をつくようなスウィングだね。超カンタンに言うと、クラブの動きをまったく邪魔してないってことかな。ゴルフクラブって不思議なカタチでしょ。バットと違って重心点がシャフトの延長線上にないから、どうしてもフェースって開きやすくなる。心菜ちゃんのスウィングは、そういった物理的に逆らえないことを無理に矯正しようとしていないのがいい。
もちろん、クラブが変な動きを勝手にしないように、スウィングで管理はしているけど無理に矯正はしていない。あくまでクラブが主役で自分は脇役に徹している動きをしてる。だから動きに無理がなく自然。頭を頂点にした軸のあるスウィングなんだけど、それも無理に固定している感じはみじんもない。おそらく、不安定なスケートボードの上で素振りすることで、自然と体が覚えた軸なんだろうね」
「手首の向きとか角度とか形はあまり気にしていません」
ちなみに、トレーニングも筋肉をつける系ではなく、初動負荷トレーニングに徹しているそうだ。
「自然な動きっていうのは、何度やっても同じになるから、安定感バツグン! クラブが上から入るでも、下から入るでもなく、体の内側から適度な上昇軌道でインパクトする。だから何度打ってもティーが飛ばない。打った後にティー探したことないでしょ?」
「確かにそうですね(笑)」
「ティーが前に飛ぶアマチュアが非常に多いんだけど、それは、振り遅れのアッパー軌道になってる証拠。飛距離がロスするだけでなく、毎回ティーを探しているとその分時間もロスしちゃうからね(笑)。それは余談として、心菜ちゃんのスウィングはとにかく動きに無理がないのがスバらしいと思う。意見を聞き入れる能力も高いし、スウィングも無理がないから、きっと息の長い選手になってくれると期待してるよ!」
卒業後にプロを目指す心菜さんを応援する武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2025年7月1日号より