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【キミこそ王子だ】Vol.348 胸の大きな回転とブレない軸がビッグボールを生む! 東北ジュニア連覇の有望株

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は宮城県出身、宮城教育大学附属中学校3年、織田瑛太君だ。「東北ジュニアゴルフ選手権」で連覇を成し遂げた実力者。誰もが憧れる柔らかくも力強いスウィングを武市大絶賛!

今回の王子候補

織田 瑛太さん

おだ・えいた ●主な戦歴/2024 東北ジュニアゴルフ選手権 12~14歳の部 優勝 ●ベストスコア/65(利府GC) ●練習/週5回1~2時間200~250球 ●トレーニング/なし


5歳でクラブを握った織田瑛太くん。小さい頃は好き嫌いも分からず、言われるがまま球を打つジュニアも多いが瑛太くんは違った。

「最初からすごく楽しかったのを覚えてます」

「どんなところが?」

「意外と上手く球に当てることができたので楽しかったです」 

瑛太くんは体を動かすのが好きで、かつてはゴルフのほかに、スキー、野球、ボウリングなどを嗜んでいたそうだ。 

今はゴルフ一本に絞っているが、その実力は折り紙付き。2023年、2024年と「東北ジュニアゴルフ選手権」を連覇している。 

球筋を見た武市も「いい球筋してるね〜」と褒めた。

「バックスピン量が少ない大きい球だよね。高弾道だけど、上がるだけでなく直進力もあるから飛ぶよね。どんなイメージで振っているの?」


「頭を動かさず、インパクトで球を押すイメージです」

「ポーンッと球が気持ちよく上がるからティーショットで転がりすぎてフェアウェイバンカーにつかまることも少ないし、グリーンに止まりやすいからボギーなんてまったくイメージできない。瑛太くんを見ているとゴルフって簡単じゃんって錯覚しそう」

「そんなことないです(笑)」

「難しいことを簡単そうにやるのがプロだけど、瑛太くんはシンプルで理にかなったスウィングの持ち主。頭を動かさない意識というのは、体が左に突っ込まないようにするため。ただ、それを意識するあまり、小手先でクラブを上げ下ろしするゴルファーをよく見かける。そんな人に注目してほしいのが瑛太くんの胸の向き。バックスウィングで胸の面が右、というより右の空、そしてフォロースルーでは左の空と大きく動いているのが分かる。それだけにトップもフォローも高く、高弾道の球となる。彼は肩甲骨周りがめちゃくちゃ柔軟だと思う。そうじゃないとなかなかできないよね。

あと、軽めのクラブを使っていることも功を奏してる感じ。中学生ぐらいだと背伸びして、重たいクラブを使いがちなんだけど無理してない。で、フェース面を変えず、胸の回転で大きく振り切る。軽いと振り切りやすいからね。これが、大きい球の正体かな。もちろんダウンスウィングでは右足の蹴りとかも入ってくるけど、基本的にはとてもシンプルな動きだよね」 

簡単そうに見えるけど、筋肉の柔軟性なども必要なため、真似しようと思ってもなかなかできないスウィングだと武市は言う。

「憧れている選手はいる?」

「岩田寛プロです」

「なんと! 岩田プロは息の長い素晴らしい選手だけど、男子の場合は外国人の名前を挙げるジュニアが多いから、ちょっと意外だね」

「同じ仙台出身なのと、練習場で見かけたときの紳士的な振る舞いが心に残っています」

「ボクも常に笑顔と神対応を心がけなければ(笑)。いやいや、スウィング以外にもいろいろ学ばされるな〜。ありがとう、瑛太くん!」と感心しきりの武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2025年5月13・20日合併号より