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伸びるジュニアの共通点<前編>活躍する選手は総じて「眼ヂカラ」がある

日本一の中学生を決める春の全国大会、通称「春中」にジュニアゴルフ界の最前線を知る武市悦宏プロと青木翔コーチが潜入。2人の目に留まったのはどんな選手だったのか?

TEXT/SHOTANOW THANKS/日本高等学校・中学校ゴルフ連盟

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将来活躍する選手は
眼ヂカラがある

3月18日〜20日に兵庫県の三木ゴルフ倶楽部で行われた、全国中学校ゴルフ選手権春季大会。日本高等学校・中学校ゴルフ連盟が主催する中学生の全国大会は年に2回あり、この「春中」はそのうちの1つだ。前年の全国大会の成績上位者や各地区で行われた予選を勝ち抜いた選手が出場できる。 

そんな世代のトップ選手が集まる大会に、ジュニアゴルファーを最前線で見続けている2人を送りジュニアゴルファーたちをチェックしてもらった。

1人は週刊ゴルフダイジェストの連載『キミこそ王子だ!!』で、10年にわたりその時々のトップジュニアたちを見続けてきた武市悦宏プロ。そしてもう1人は、長年ジュニア育成に携わる青木翔コーチだ。ちなみに今回の「春中」には青木コーチの教え子が3名も出場している。

まずはズバリ、中学生年代において「活躍しそうな選手」の特徴を聞いた。

青木 武市プロはこれまで相当な数のジュニア選手を取材してきたんじゃないですか?

武市 300人は超えてるね。久常涼プロ、金谷拓実プロ、畑岡奈紗プロ、西郷真央プロとか数え切れないよ。

青木 すごい数ですね。ズバリなんですけど、活躍する子の共通点みたいなものってありますか?

武市 ”眼ヂカラ”のある子かな。目が大きいってことじゃないよ。

青木 わかってます(笑)。

武市 例えば相手の目をしっかり見て挨拶するとか、話をするときにしっかり僕の表情まで見ているとかそういうこと。話し始めて数秒で分かっちゃう。

青木 すごくよく分かります。コーチに何かを教わるとき、選手が真剣な眼差しだとこちらも自然と熱量が上がってきます。成長する選手はそうやって相手から良いものを引き出してくる。目の前の人が言っている言葉を少しでも逃すまいという気持ちが“眼”に表れてくるんですよ。

武市 あとは姿勢、というか立ち姿。これも眼ヂカラと似ているかも。背中の丸まっただらしない姿勢の選手はやっぱりアドレスも美しくないもん。

青木 ゴルフをしているより普段の生活時間のほうが長いですから、日常生活での姿勢の悪さをプレーの時だけ気を付けようと思ってもそうはいかない。椅子に寄りかかってふんぞり返っていたり、常に足を組んでいると体にゆがみも生じてしまいますから。

武市 ダラッとしたいお年頃だというのは分かるけど、そこはちゃんとしておいたほうがいいって思うわ。

青木 その点、今大会で僕が見た選手の中では猪俣茉央さん(中2)が良かったです。

武市 すごくいい眼をしてたね。姿勢もいいし、受け答えもしっかりしていた。技術的には粗削りな部分もあるけれど、あの眼を見るとそんなのは後でいい! と思えてくる。

青木 今回は予選落ちしたけど、初日は3オーバーの10位タイ。冬の間はクローズでラウンドができない北海道在住ということを考えると立派だと思います。

武市 猪俣さんと話していて思ったけど、自分の考えをしっかり持っているというのは大事。男子で優勝した長崎大星くん(中3)はまさにその典型。

青木 「どうも、ビッグスターです!」って挨拶してきた子ですね(笑)。

武市 以前、取材をさせてもらったときもあんな感じで気持ちいい感じの子だったわ。彼は練習日にほかの子が1ラウンドするところをハーフで終わっていたから、理由を聞いたら「(本選と違って)ピンポジションが手前すぎて練習にならないので上がって練習します」だって。

青木 普通なら、「少しでもコースを知りたいから」と思うところですが、自分が今何をすべきかしっかり分かっていますね。

武市 ナショナルチームに選出されてるだけあって、見ている景色が違うんだろうな。中学時代の久常涼くんも見ている景色がほかの選手と違ったのを記憶してるよ。

青木 この大会の優勝を目標にしている選手と、この大会を最終的な目標へのステップと考えている選手。この差はとても大きいと思います。

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週刊ゴルフダイジェスト25年4月29日号より