【キミこそ王子だ】Vol.346 パワフルかつ安定感のあるスウィングは足腰の鍛錬の賜物!

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は岐阜県出身、大野町立大野中学校3年の樋口来美さんだ。とにかく振り切りのよい、パワフルなスウィングに武市は「綺麗なアドレスと脚の使い方がサイコー!」と大絶賛。

今回の王女候補
樋口 来美さん
ひぐち・くるみ ●主な戦歴/2024 中部中学校ゴルフ選手権春季大会優勝 ●ベストスコア/69(岐阜関CC西C) ●練習/毎日2時間200球 ●トレーニング/毎日ランニング20~30分
武市と同じ岐阜生まれ、岐阜育ちの樋口来美さん。父の熱烈な勧誘により小3からクラブを握った。
「最初から楽しかった?」
「いいえ、最初は楽しくなかったです。小学校高学年で試合に出るようになって少しずつ楽しくなってきたかなぁ〜という感じです」
昨年の夏「中部ジュニア」で2位、冬の「中部中学校ゴルフ春季大会」では優勝という好成績を収めたが、そこにたどり着くまで親子関係でかなり紆余曲折があった。
「父は元高校球児で自他ともに認める体育会系人間なんです。そのせいで、私への指導も、ちょっと厳しめというか(笑)」
「“あるある”だね」
「でも、ある時、父も何かを察したようで、静観するようになったんです。そうしたらコーチのアドバイスだけに集中できるようになりました」
「すごく興味深い話だね!」
「それまではお父さんの言うことはわかるけど、認めたくないしイライラするからボールを打つことに集中できてなかった気がしますが、今はすごく気持ちよく振れています!」
その言葉通り、来美さんのスウィングは、とにかく振りっぷりがよい。
「めちゃくちゃ振り切れているね。脚の使い方がサイコーなんだけど、トレーニングしてる?」
「毎日20〜30分走っています」
「足腰を鍛えるのにちょうどいい山も、この辺は多いしね。ボクも金華山(岐阜市の有名な山)」
「この辺の山はダメです。熊が出るから命懸けのランニングになってしまいます(笑)」
という事情もあり、来美さんは片足1.5キロずつ、片腕1キロずつのウェイトをつけて家の近所を走っているそうだ。
その努力はスウィングに表れていると武市は言う。
「スウィングには腰の高速回転が必要だと言われるけど、実は腰って回そうとしても上手く回せないんだよね。じゃあ、どうやって回すかというと、下半身の力を使うわけ。来美ちゃんの場合は、バックスウィングで両脚の内転筋を絞って、ダウンスウィングでそれをリリースしながら地面を蹴り、フィニッシュでまた絞り寄せる。ザックリ言うとそんな感じで脚を使うと腰を速く回転させられるんだ。それがすごく滑らかでパワフルにできている。たぶん日頃のランニングの成果だと思うよ」
「ありがとうございます。走るようになってから疲れにくくなったし、飛距離というより方向性がアップしました」
「あと、ボク的にはアドレスもツボ。きわめてフツーなんだけど、逆に言うとどこにも違和感がない。そのアドレスからスタートさせると自然とイン・トゥ・インのスウィングプレーンになりやすいからストレートなドローが打てる。そんな絶妙なアドレス。見た瞬間、ナイスショットしそうだもん(笑)」
アドレスよし、脚の使い方よし、でパワフルかつ安定感のあるスウィングを手に入れた来美さん。「将来は山下美夢有プロのようになりたいです」と語ってくれた。「同じ岐阜人として応援するよ!」と期待する武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号より