【キミこそ王子だ】Vol.323「ゴルフが好きすぎて困っています!」目指すは大谷翔平のようなゴルファー!?
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、北海道出身、札幌光星高等学校、新2年生の斎藤碧夏さんだ。コースマネジメントやイメージトレーニングが大好き! ゴルフ愛が止まらない彼女のスウィングを武市がチェック。
今回の王女候補
斎藤 碧夏さん
さいとう・あいな ●主な戦歴/2023北海道女子アマチュアゴルフ選手権2位 ●ベストスコア 65(真駒内CC) ●トレーニング/週2日、ゴルフ部でウェイトトレーニング ●練習/1日200球
「ゴルフが好きすぎて困っています(笑)」
キラキラの笑顔で、そう話してくれたのは斎藤碧夏さん。
「どんなところが好きなの?」
「すべてです!」
雪が積もる冬はラウンドできない北海道の逆境をはねのけ、ここ1~2年でググッと成績を伸ばしている選手だ。きっかけとなったのは、岩本沙織コーチとの出会い。
「コーチは横浜、私は北海道なので、スウィングの細かい指導というよりは、考え方を教わっています」
「たとえばどんなこと?」
「ピンポジに対する狙いどころや、風の計算です。風が何メートル吹いていると、どのくらい飛距離が落ちるとか、どのくらい曲がるとか。数値化された表があって、それを見ながら、あれこれ考える時間が大好きです。漠然と打っていたときはベストスコアがなかなか伸びませんでしたが、コースマネジメントを考えるようになってからアンダーで回れるようになりました」
現在のベストスコアは65。考える力を付けたことで北海道だけでなく全国大会でも上位を目指せるレベルに成長した。
「スウィングに関してもコーチは正解ではなく正解を知るきっかけを教えてくれるので、練習が楽しくなりました」と碧夏さん。今、一番気を付けていることはリズムだと言う。
そんな彼女のスウィングを見た武市は、「碧夏ちゃんはヘッドを走らせるのが上手い。ヘッドは走らせようとすればするほど走らなくなるものでコツがいるんだよね。碧夏ちゃんのスウィングには、そのコツがいっぱい詰まっている。まず、緩くクラブを握り、足でリズムを取るようなワッグルをしながらリズムよくテークバック。そしてトップからダウンスウィングの切り返しで、ちょっと上半身を脱力させて、少し間を取る。この絶妙なリズムにより下半身が先行し上半身と捻転差を作ると同時にシャフトもしならせ、ヘッドをビュンと走らせる。ドローボールで球もよく飛ぶし、何よりすごく気持ちよさそうに振っているのがいいよね」と解説した。
碧夏さんは、単に球を打つのではなく、さまざまなドリルを実践しながら練習するのが好きなんだそう。
「スプリットハンドとか、テークバックで左足と右足を一旦クロスさせ、ダウンスウィングでそれを解き、左足を飛球線方向に踏み込みながら打つとか。あれこれ試しています」
「研究熱心だね。普段はドリルを使って考えながら練習しているけど、本番では気持ちよく振ることに徹する。そうすれば、コースマネジメントに集中できるしね。すごくクレバーな選手や!」
彼女が尊敬するのは大谷翔平選手。
「野球への熱い思いと実績。そして、誰からも愛される人柄。私もそんな人間になりたいです」
「いいね~。ゴルフ界の大谷翔平を目指してがんばって!」とエールを送る武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年4月16日号より