【キミこそ王子だ】Vol.318「ゴルフで好きなのはマネジメント」冷静沈着でクレバーな中2男子
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は、広島県出身、東広島市立高屋中学校2年の吉行アムロくんだ。アイアンの正確性を武器に昨年度「中国中学校ゴルフ選手権春季大会」で優勝した注目選手。武市がスウィングを解説。
今回の王子候補
吉行 アムロくん
よしゆき・あむろ ●主な戦歴/2023中国中学校ゴルフ選手権 春季大会優勝 ●ベストスコア 67(加茂CC) ●トレーニング/毎日4~5キロのランニング ●練習/毎日2時間、200~400球
安室奈美恵と機動戦士ガンダムが好きな両親に育てられた吉行アムロくん(ちなみに弟の名前はローリくん、妹はリキさんで、アムロ→ローリ→リキとしりとりになっている)。
ゴルフを始めたのは小4。父親が楽しそうにゴルフをする姿を見て、自分から「やってみたい」と言ったそうだ。
ハンディ6の父親や地元のトップアマにアドバイスを受け、今や中国地区では有名な存在だ。
「ボクは飛距離では、ほかの人にかないません。なので、とにかく曲げないように心掛けてます」
「へ~。自分なりの曲げないコツみたいなのがあったら教えて」
「一番はテークバックです。ヘッドの後ろに置いたボールを飛球線後方に転がすようなイメージで、ゆっくり上げるようにしています」
ドライバーの飛距離は230~240ヤード。最近は中学生でも260~270ヤード飛ばす選手が少なくないので、確かに飛ばし屋の部類ではない。その代わり安定したドローボールで確実にフェアウェイをとらえるのがアムロくんの持ち味だ。
スウィングを見た武市も「キレイなスウィングだね」と褒めた。
「アムロくんは、オンプレーンを意識したスウィングだね。急激にインサイドに引かないよう、両わきを締め、両ひじを下に向けてゆっくりテークバック。その後も、腕を思い切り振ったり手をコネたりせず、体の軸を中心に振っていく。その回転に同調してフェースが動くから、フェースの開閉が少ない。だから、ミート率も高いし方向性もバツグン! シンプルでいいスウィングだと思う」
「ありがとうございます」
「中学2年でしょ? とにかく飛ばしたい! って思う年頃だと思うんだけど大人だね~。自分のタイプを把握し目指すべきスウィングを研究。そして、それをきっちり実践している。立派だわ~」
ゴルフの好きなところは? という質問にも「マネジメントです」と答えたアムロくん。
「とにかく彼は冷静だよね。ボクの中2とは大違いだわ(笑)」と感心する武市。
好きなプロは同じ広島県出身の金谷拓実プロとのこと。
「そういえば、彼も高校生のときにこのコーナーに出てもらったことがあるんだけど、当時から冷静だったな」
- 雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は広島国際学院高校2年、金谷拓実くん。滋賀県の瀬田GCで行われた「全国高等学校ゴルフ選手権」では、難しい高速グリーンに手こずる選手が続出するなか、見事栄冠を勝ち取った。自ら「パターが得意」という彼には他の人が真似できない得意技があった!? ……
「一緒にラウンドしたこともあるのですが、すごく優しかったです。アプローチのアドバイスもしてくれて、感動しました」
アムロくんが利用している練習場のオーナーも「彼は普段はとってもおとなしい性格」という。しかし、将来は「プロゴルファーになって、世界で羽ばたきたい」と闘志は十分!
「まだ中2だし、伸びしろは無限大。きっと名前のとおりスターになってくれるに違いない」と期待を寄せる武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年1月30日号より