【キミこそ王子だ】Vol.317 体脂肪率11%! 中2女子とは思えない完成されたスウィングの持ち主
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回話を聞いたのは、千葉県出身、千葉市立白井中学校2年の仁科優花さん。お手本にしているのは偶然にも名前が一緒のあのプロ! そのキレキレで迫力満点のスウィングに武市は感心しきり。
今回の王女候補
仁科 優花さん
にしな・ゆうか ●主な戦歴/2023日本ジュニアゴルフ選手権女子12~14歳の部2位 ●ベストスコア 66(三木GC) ●トレーニング/毎日30~60分の自重トレーニング ●練習/放課後~日没まで。球数はその日によって異なる。
仁科家、6人きょうだいの次女、優花さんは、小4でゴルフを始めた。幼少期から体を動かすのが大好きで自分からやりたいと志願したそうだ。8人家族なので、家計的には決して楽ではないが、「集中力が養われるゴルフはきっと将来役立つはず」と両親もGOサインを出した。
持ち前のセンスとストイックさで、見る見るうちに上達。これまで「千葉県ジュニア選手権」優勝、「日本ジュニア選手権」2位など、優秀な成績を収めている。
そのスウィングを見るやいなや、武市はぶったまげた。
「迫力満点!! プロの試合に出場しても、誰も中2だと思わないよ。それくらい完成されている」
得意クラブはドライバー。飛距離は平均240ヤードとのことだが、もっと飛んでいるように見える。
現在、月イチでコーチにも見てもらっているが、普段は練習器具などを使って自分で試行錯誤しながら練習しているそうだ。
「最初に国内外問わず、いろんな選手のスウィング動画を見ました。その中で、私はタイガー・ウッズ、ローリー・マキロイ、笹生優花選手のスウィングがカッコイイと思いました。なので、今はその3人のショート動画を見まくって参考にさせてもらっています」
「やっぱり!? スウィング見た瞬間、笹生プロっぽいと思ったよ」
「ありがとうございます」
武市が思う“ぽい”ところは?
「インパクト~フィニッシュの力の伝え方とか、キレだよね。優花ちゃんのスウィングはトップの右手首の角度がフォローまで変わらないのが特徴。イコール、ハンドファーストでフェース面が変わらないので、強く長いインパクトになる。だから飛んで曲がらない。でも、そのスウィングを作っているのは土台となる下半身。そこがしっかりしていないと、回転に負けて上体が浮き上がってしまうでしょ。その点、優花ちゃんは体幹や脚がしっかりしているから前傾角度が全く変わらない。だから、ボールに100%の力を伝えられるし、動きにみじんの無駄もないからキレもある! 本当に素晴らしいの一言だよ」
興奮気味に話す武市。
元々はきゃしゃな体格だったそうだが、努力によって強靭なフィジカルを作り上げた。
「ゴルフの前は器械体操をやっていました。今は毎朝、自重トレーニングを30~60分やり、登校後に先生たちと体幹トレーニングをしています。あと、走るのも好きです。マンションの非常階段を上ったり下りたりとか……」
「ストイックだね~」
「なんか楽しくなってきちゃうんです(笑)」
現在、体脂肪率は11%!! 女子アスリートのなかでもかなり低いほうだ。
将来の夢は世界で活躍するプロゴルファー。賞金を稼いだら「両親に広い家をプレゼントしたい」と話す。
「これまで300人以上のジュニアを取材してきたけど、間違いなくトップ5に入る実力。素晴らしいスウィングに出合えてうれしいな~」とご機嫌の武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年1月9・16日合併号より