雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は広島国際学院高校2年、金谷拓実くん。滋賀県の瀬田GCで行われた「全国高等学校ゴルフ選手権」では、難しい高速グリーンに手こずる選手が続出するなか、見事栄冠を勝ち取った。自ら「パターが得意」という彼には他の人が真似できない得意技があった!?

今回の王子候補

金谷 拓実さん

かなや・たくみ　●主な戦歴／2014 広島県総合体育大会 優勝・2015 全国高等学校ゴルフ選手権春季大会 優勝　●ベストスコア67（大山アークCC）　●トレーニング／週1~2回ジムでウェイトトレーニング　●練習／毎日パット30分・ショット200球

武市　金谷くん、渋いね。

金谷　何がです?

武市　プロフィールにスティーブ・ストリッカーが好きって書いてあるけど。キミぐらいの歳の子は、10人中8人がマキロイって答えるのに。実物見たことある?

金谷　ないです。

武市　ボクはある（ドヤ顔）。全米オープンに取材に行ったとき見た。

金谷　いいな～。

武市　身長180cmぐらいあって、デカイのに全然飛ばなくてビックリした（笑）。毎ホール、必ずセカンドオナーやったわ。どういうところが好きなの?

金谷　パターがうまいところです。

武市　たしかに!　彼はPGAツアーで10勝以上してるでしょ。ゴルフは飛距離だけじゃないことを証明してるよね。

金谷　彼のパッティングスタイルを真似したら、すごく入るようになりました。

ふたりは練習グリーンに移動。金谷くんが実際、どんなスタイルで打っているか見せてもらったところ、ちょっと変わった構え方に話題が移る。

武市　パッティング練習は毎日どのくらいやってるの?

金谷　30～40分です。

武市　打ってるだけで?

金谷　つまようじを使った練習を。

武市　なにそれ?

金谷　フェースに少し間隔を開けてつまようじをタテに2本付けて打ってます。

武市　つまようじの間、つまり芯に当てる練習か。ボクも似たような練習したことあるわ。誰かに教わったの?

金谷　5年くらい前に雑誌で見て、それ以来続けてます。

武市　もちろん、週刊ゴルフダイフダイジェストやろ?

金谷　た、たぶん（笑）。

武市　そういえばヒールを浮かせて打ってるよね?

金谷　はい、このほうが芯で打ちやすいんです。

さっそくどんなふうにやっているか、フェース面につまようじを貼って、金谷くんにいつもの練習を見えてもらうと驚愕の事実が!

武市　えー! 幅がこんなに狭いの?　ボクはボール1個分ぐらいの間隔でやってたけど。

金谷　ボクの場合は、2センチくらいですかね。

武市　当たるの?

金谷　全然、当たります。

武市 （金谷くんが何球か打つのを見て）何だそれ!!! スゴすぎるよ!

金谷　最初はもっとつまようじの間隔が広かったのですが、だんだん狭くしていきました。

武市　ちょっとボクも打たせて。

金谷くんのパターを借りて、球を打ってみたものの、つまようじに当たる武市。ある意味、予想通りのオチに、周囲は大爆笑!

金谷拓実くんの1Wスウィング

ドライバーを振り回すタイプではないので、飛距離は260Yほどと高校男子の平均ぐらい。ラウンドは月1～2回。コーチは広島県出身の岸副哲也プロ

週刊ゴルフダイジェスト2015年4月21日号より