「夫婦で続けて」「1打1300万円」本当にあったホールインワンの話
ニュージーランドとオーストラリアで価値あるホールインワンが誕生した。
まずはニュージーランドのロトルアGCで、ひと組の夫婦が実現した奇跡のエースから。
年明けのある日、スティーブとケイコのカップルはメンバーコースに初打ちへ行った。6番パー3にさしかかり、まずは夫がティーショット。「本当に素晴らしいショットだったわ。打球はピンに向かって飛び、見る見るうちにカップに吸い込まれたの。まさに奇跡!」と妻ケイコさん。
興奮冷めやらないまま彼女も続けてティーショットを放った。すると打球は空高く舞い上がり、夫婦の視界から一瞬消えた。次の瞬間グリーンをとらえた球はピンに向かって転がりカップイン。
「彼女がいかに負けず嫌いかよくわかった。僕がホールインワンしたから負けじと頑張ったんだね」とスティーブさん。夫婦同ホールでのエースはギネス級だ。
一方、オーストラリアでは「ザ・ペニンシュラサザビーズ・ポートシープロアマ」で奇跡が起きた。
賞金5万ドル(約660万円)を48人のゴルファーが奪い合う大会で元プロのダニエル・ベックマンが放った一打が賞金総額の倍の価値になったのだ。
それはガンを発症し、一時はプロを断念しかけた彼にとって生涯ナンバー1のショット。7番パー3で放った6番アイアンのショットはドロー軌道を描き、ピン手前2メートルに着弾すると、スルスルと転がりカップイン!
「そのホールに賞金が懸かっているのは知らなかった。入ったのは見えなかったけれど、同じ組の人がおめでとうとハグしてくれて10万ドル(約1300万円)ゲットだよ、と教えてくれた」。
プロを断念した男は「生死の狭間をさまよった自分にとって、ゴルフのスコアが悪くても生死には関係ない。そう思ったらプロゴルファーも悪くない」とプロに再挑戦することを決意したという。
ホールインワンで人生が変わることもある。
週刊ゴルフダイジェスト2023年1月31日号より