ゴルファーのためのアンチエイジング<中編>7kg痩せた! スウィングも改善! 塚田好宣の秘密トレ【動画あり】
TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/季美の森整形外科
少しでも長くゴルフを楽しむため、40~50代から取り組んでおきたいアンチエイジング術を紹介する本特集。ここからは一昨年シニア入りした塚田好宣プロに、ゴルファー寿命を延ばすために役立つ体ケアの方法を聞いていく。
塚田好宣プロ
1969年生まれ。千葉県出身。ツアー1勝。大学卒業後、アメリカ、オーストラリアと渡り歩き、日本のプロテストは99年に合格。2年前にシニア入りを果たし、シニア初優勝を目指す
松田祐弥さん
千葉県にある季美の森整形外科所属。理学療法士。豊富な経験と知識を持つ体のスペシャリストとして多くの人々をサポートする
腰痛がきっかけで体のケアを始めた
2年前にシニア入りし、優勝が待ち望まれる塚田好宣だが、今年の1月には腰痛に悩まされていた。当初はブロック注射を打ったり、いろいろと治療をしたものの効果はほぼない状況。しかし、同い年の篠崎紀夫が通っていた整形外科を紹介してもらったことで光明が見え始めたという。さらにそこにはこの先も長く戦うために必要なことへの発見があったとのこと。さっそく真相を聞くため、塚田を訪ねた。
「ここで初めて診てもらったときに言われたのが、姿勢が悪いということでした。それでまず真っすぐに立てるようにということから始めました。O脚ではないけれど少し足の接地がよくなかったので、足の内側が着くようにする。そこがスタートだったんです」
これを2月からやり始めて、塚田は7キロほどの減量に成功している。食事面で以前よりは気を使い始めたものの、好きなものは食べているし、毎日お酒も飲んでいるという。それなのに体重が落ちて、しかも体調面でもよくなったことを実感している。
「姿勢が良くなったことで、ちゃんと歩くことの重要性に気づきました。いい姿勢を保つには支えるための筋力が必要になる。それで自分がスウィングで地面をいかに踏めていなかったかがわかりました。もともと自分は体が開くクセがありました。バックスウィングは右サイドで引っ張って上げていたから右足は外に開きやすくなる。そうじゃなく、右足は開かずに左側をクルッと回していく。右側は逆に絞る。そうすることで地面を踏むように足を使えるようになりました。体を整えることは治療とか予防の意味を持つだけじゃなく、ゴルファーにとってはスウィングを持続させるために必要不可欠なことなんだと今は実感しています」
塚田はもっと前からやっておけばよかったと半ば後悔している。だからこそ自分より若いゴルファーに体のケアを本当にやっておいたほうがいいと警鐘を鳴らす。
塚田を担当する松田祐弥さんは、腰が痛いからといって腰だけを治療するわけではなく、なぜ腰が痛いのか、腰にどう負担がかかっているのかを見極めることが大切なことだという。
「腰に負担がかかっているということは体の前側、胸骨の周辺が張っている可能性があります。塚田さんの場合もそうでしたが、痛めている箇所とは違う箇所の状況を見極めることも非常に重要なことなんです」
正しい姿勢を作るストレッチ
Exercise 1
テニスボールで筋膜はがし
仰向けに寝た状態で肩甲骨の間にラップで包んだテニスボールをセットし自重で筋肉をほぐす。肩甲骨は背中や首などの筋肉とも繋がっており、腕を滑らかに動かす働きを担っている。背中や首と繋がった筋肉が疲労すると、筋肉が肋骨にへばりつくような形になってしまう。腰と胸も同様にほぐす(3カ所を5分くらいかけて行う)
Exercise 2
バランスボールを頭上に持ち上げる
Exercise 3
棒を背中側に引き下げる
エクササイズ2で胸骨周りの筋肉が引き上がったら、棒を両手で握って頭の上に持ち上げた状態から、肩甲骨を寄せながら引き下げる。胸が丸まらないよう背筋で固定できるようになる。肩甲骨周りをしっかり意識しながら行う
●10回1セット×2回
Exercise 4
片足立ちで上半身と下半身をねじる
上半身と下半身を別々の方向にねじる体幹トレーニング。左右が同じ出力になるようにしてねじり、バランスを保ちながら片足で立つのがポイント。ぐらつかないようにすることで体幹力が強化され、正しい姿勢で立つために必要な筋力が身につく
●一呼吸(息を吐きだす)×2回×左右
Exercise 5
回旋トレーニング
●左右10回×2セット
ゆがみが消えたらスウィングがよくなった!
一連のエクササイズを動画で解説!
月刊ゴルフダイジェスト2021年8月号より