「ゴルフは健康にもよい」ということをよく耳にする。ゴルファーなら何となく感じていること。しかし、根拠がなければ広がりはない。スポーツの秋、日本ゴルフ協会（JGA）の「ゴルフと健康部会」の取り組みを紹介しながら、「ゴルフと健康」について、改めて考えてみたい。

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  【ゴルフと健康】＜前編＞ゴルファーの寿命は5年長い!?　JGA「ゴルフと健康部会」の取り組みに学ぶ

  「ゴルフは健康にもよい」ということをよく耳にする。ゴルファーなら何となく感じていること。しかし、根拠がなければ広がりはない。スポーツの秋、日本ゴルフ協会（JGA）の「ゴルフと健康部会」の取り組みを紹介しながら、「ゴルフと健康」について、改めて考えてみたい。 「歩く、緑の中で会話する健康増進につながります」 「ゴルフと健康部会」は……

WAGスクールを、健康・地域づくり、
研究に活用してほしい

参加者には“かつてのゴルファー”はもちろん、ゴルフ未経験者も多いという。

「先日の九州では12名中3名が未経験者。初めての方には女性が多いんですよ。子育てや仕事などでゴルフをする機会はなかったけど、今は時間が少しできたからと。通常、ゴルフ場の来場者比率は女性が15%前後ですが、WAGでは女性のほうが多いくらい。各自治体にも協力を仰ぎ広報誌などで告知してもらうことで、参加者の幅は広がります。1、2人で参加する方も多く、他の参加者と話が弾んで仲良くなり、より楽しさが湧いて、スクールの中で助け合いも出てきたり新たなコミュニティの構築になっているようです。これをきっかけにゴルフを本格的に始める方、その後一緒にゴルフするようになる方々もいらっしゃいます」

「ゴルフ場は綺麗だし、すごく楽しかった」という声も多いという。

「ゴルフ場に入ったことがない人にとっては感激があるようです。それにゴルフ場は近隣の住民の方にとっては近くて遠いところ。メンバーでないと入れないのか、そのためには多額なお金が必要なのか……など。でも今は防災拠点としての役割や災害時避難所としての機能など、地域との関わりを積極的に持つゴルフ場も増えています。ゴルフ場にとってもゴルファーの減少は大きな問題。コミュニティを再構築していく必要がある。コンペだとゴルファー以外は集まれないですから、WAGスクールを活用していただき、近隣住民とのコミュニティのパートナーとして存在していければ、ゴルフ場の価値の向上にもつながると思います」

栃木県と福島県の2つのゴルフ場の経営者としての顔も持つ中島氏の言葉だからこそ、説得力がある

「ゴルフはスポーツのなかで少しマイナスな見方もされがち。それを変えていきたい。各自治体との関係も大事。自治体にも健康づくりや共生社会などいろいろな課題がありますから。緊急時の対応、雇用の創出、医療費の削減に寄与するなど、ゴルフ場は地域に根付いた活動や貢献をしていると思いますし、していかなければなりません。そしてさらに、WAGスクールのプログラムを研究に用いていただけるよう、積極的にアプローチ、協力もしていきたい。我々の1つの目的に研究がありますが、JGAは研究機関ではないので、スクールを用いて研究をしていただき、それによって出てくる結果は我々にとっても重要です」

ゴルフを通した健康づくりのためのプログラムが、ゴルフ界にとって有用なデータの礎となる。

「実際、太陽生命少子高齢社会研究所さんからのご提案で、同研究所と八戸学院大学とJGAとの共同研究が実現、8月から取り組んでいます。八戸CCで八戸市と階上町の後援のもと、8回プログラムを使った『ゴルフを通じた地域住民の健康増進に向けた共同研究』です。研究結果は共有して発信していきたいですね」

“ゴルフ好き“の我々は、自分がゴルフを長く楽しむためにも、その健康への効果を理解し、そしてまた、家族や周りの人々に健康維持増進のためのツールとしてゴルフを紹介していく――これも一つの「ゴルフの魅力」としてとらえていきたい。

日本オープン会場でも実施
「ごる印めぐり」

一昨年から始めて大好評のイベント。大会のギャラリーであれば誰でも参加可能。コース内18カ所に設置された歴代優勝者などのスタンプを集める。6カ所、9カ所、18カ所取得で商品がランクアップする。「妻が神社仏閣巡りが好きで御朱印を集めており、私もやってみたら楽しくて。ゴルフでも同じようなことができたら面白いと思って考えました。ゴルフ観戦は1万歩以上、平均8～9km歩くと言われています。ゴルフ場はアスファルトを歩くより足にも優しい。ゴルフ観戦が健康にいいという研究もあります。プロの素晴らしいプレーを見ながら綺麗なコースで森林浴をして歩くことはトーナメント観戦でしかできません」（中島）

週刊ゴルフダイジェスト2025年10月28日号より