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「息子に勝利を見せたい一心で」フリートウッド 3年ぶりの勝利に涙

南アで開催されたDPワールドツアーの「ネッドバンクゴルフチャレンジ」で、トミー・フリートウッドが3年越しの連覇を達成。3年間勝てなかった男は勝利の瞬間涙を流した。

コロナ禍の影響でここ2年開催が見送られてきた大会で、19年のチャンピオン、フリートウッドが再び勝利をものにした。

最終日は悪天候で途中3時間半もの雷雨による中断があったが、集中力を途切れさせなかったフリートウッドが11年にイングランドの先輩L・ウエストウッドが達成して以来の連覇に成功。

「最大の目標は家族の前で勝つことでした」とウィニングパットを沈め涙ぐんだフリートウッドは声を震わせた。
「体調を崩していたので、大会直前にコースに着いてぶっつけ本番のプレーだった」と言うが連覇にかける思いは強かった。というのも愛する息子の存在があったから。

「フランキー(長男)はこのところいつも僕が勝てないことを指摘し続けていました。学校から何かのメダルを持ち帰ると『お父さんが勝てないから代わりに僕がもらったんだ』と(苦笑)。彼に優勝を見せたい一心でした」

体調不良を押し悪天候にもめげず3年ぶりツアー通算6勝目を挙げたのだが、残念ながらその勇姿を息子に直接見せることはできなかった。

「子供たちは明日学校の試験があるのでひと足先に帰りました。今ごろは空港にいるでしょう」

勝利の瞬間に立ち会えなくても、パパが優勝の朗報はすぐに家族の元に届いたはず。フランキーくんも誇らしく思ったに違いない。

ウィニングボールは体調不良の彼を試合中支えてくれた地元の医師の息子にプレゼントした。

「彼(医者)がいなければ木曜日にティーアップすることはできなかった」。本当なら優勝シーンを息子に見せてウィニングボールを渡したかった。その願いが叶うのは遠い未来ではないことを祈りたい。

前週のザ・CJカップでも4位と、好調が続く(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月6日号より