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【世界基準を追いかけろ!】Vol.109 フェードはドローに比べて「グリーン奥」へ外す可能性が高くなる?

松山英樹のコーチを務める目澤秀憲、松田鈴英のコーチを務める黒宮幹仁。新進気鋭の2人のコーチが、ゴルフの最先端を語る当連載。女子ツアープロの持ち球の8割がドローという2人。今回は、その要因とフェードが体に与える負担について話してくれた。

TEXT/Masaaki Furuya ILLUST/Koji Watanabe

前回のお話はこちら

GD 前回のお話では、女子プロの8割がドローヒッターということですが、その理由は身長と体力的な部分が関係しているということですか。

目澤 そうですね、身長が低いとスウィング軌道は当然フラットになりやすいですし、そのうえでアップライトに打つのは、体が相当強くないと難しいと思います。ですから女子選手にとっては、ドローが打ちやすいはずです。

黒宮 ドローはトップの位置からクラブが落下してくるスピードの中でインパクトを迎えることができるので、そうなると無理に自分でスピードを作る必要がないんです。でもフェードの場合は同じように落下のスピードはあるものの、落下してからそれにプラスして体の回転や右足の蹴りなどで加速させ続けながらインパクトを迎えないといけないんですよ。そうなると、女子の場合は体力的にけっこう難しい部分があると思います。

目澤 体力もキツイですけど、体を加速させ続けないといけないのって、勇気も要りますよね。

黒宮 洋芝のゴルフ場などでは、芝の抵抗で右足を蹴りづらくなる分、体がやや沈んでいる状態で打たなければならないということも体の負担になると思います。そういったことを考え合わせると、フェードは胴体のスピードや右足の蹴り、それにリストの強さがないと難しいと思いますね。


GD リストの強さというのは、手首をホールドするということですか。

黒宮 そうです。左手首を背屈(手の甲側に折る)した状態をずっとキープしないといけない。その手首のホールド自体は胴体のスピードが上がればそれほど難しくないと思うんですけど、問題はどこかで抑えが利かなくなってカウンターが入った時に、逆球になるということです。

目澤 ロースピンのドローみたいな球になったりね。

GD フェードの場合に出やすいミスは、どのようなものがあるのでしょうか。

黒宮 ひとつ例を挙げると、グリーンを狙うショットの場合、フェードだとしてもドローだとしてもグリーン奥へのミスが嫌なものです。2つの弾道はターゲットラインの引き方(目標のとり方)が違うので、ドローがプッシュアウトしたところでそこまで飛ばないことが多い。一方で、フェードの場合は引っかけると左奥まで行くケースが多くなります。そうなると、その後のアプローチを考えたときに、左の奥は基本は下り傾斜でラフが生い茂っていて、みんなが歩いていくから逆目の難しいアプローチが残りやすい。そうした事情からフェードを打つ選手はアプローチで困っているケースが多い気がします。

GD フェードといえば、稲見萌寧選手ですが、彼女のアプローチはどうですか?

黒宮 彼女はアプローチが上手いですよ。正直、アプローチに関しては直すところがないといえるくらいです。

GD だから稲見選手はいつも上位にいて優勝争いに絡んでくるんですね。

目澤秀憲

めざわひでのり。1991年2月17日生まれ。日大ゴルフ部を経てプロコーチに。TPIレベル3を取得。2021年1月より松山英樹のコーチに。2022年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞

黒宮幹仁

くろみやみきひと。1991年4月25日生まれ。10歳からゴルフを始める。12年関東学生優勝。日大ゴルフ部出身。淺井咲希、宮田成華、岩崎亜久竜らを指導

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月1日号より