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「8」からの「1」! 欧州ツアーで史上最大(?)のバウンスバック 

史上最大のバウンスバックがスペインオープンで飛び出した。

イングランドのD・ギャビンズは、大会初日の8番パー4でプロの試合ではめったに見ないダブルスコアの「8」を叩いた。続く9番パー3は9番アイアンで狙える短いホール。気持ちを切り替え放ったティーショットがグリーンをとらえると、ジャストタッチでカップに吸い込まれたのだ。

ホールインワン! 「8」の直後の「1」は聞いたことがない。よくボギーの次のホールでバーディを奪うと、「ナイスバウンスバック」と言われるが、これだけドラスティックなバウンスバックはおそらく過去にないだろう。

本人は信じられないような顔で照れ笑いを浮かべ、喜びも控えめだったが、キャディが本人以上に興奮。実況アナウンサーも「前のホールから7打も縮めたんですからね。これぞまさしくゴルフ!」と声を張り上げた。

フロントナインを1エース、3バーディ、1ボギー、1クアドルプルボギーのイーブンパーで切り抜けた彼は、2日目以降をアンダーパーで回り、T・フリートウッドらと並び39位タイで4日間を完走。順位自体は凡庸だったが、ゴルフチャンネルがSNSに上げたホールインワンの動画が大いにバズり、一躍、時の人に。

12年にプロデビューしたギャビンズは現在31歳。下部ツアーを経て14年からDPワールドツアーを主戦場にしている。

世界ランク258位とほぼ無名だが、21年8月に唯一優勝したISPSハンダワールド招待では最終日に7打差を逆転した意外性の男でもある。

ちなみにバウンスバックの歴史に燦然と輝くのが11年の全米プロで優勝したK・ブラッドリー。最終日の15番でアプローチを池に入れトリプルボギーを叩いた時点でタイトル獲得は難しいと思われたが、16番でバーディを奪って巻き返し、17番パー3で15メートルを沈めてメジャー獲りに成功した。それでもトリプルボギーとバーディの差は4。ギャビンズの7には敵わない。

アマチュアの場合「12からの5」ぐらいならよくあることだが……

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月1日号より