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【日本オープン激闘史】#2 和合17番、ジャンボ尾崎奇跡のバンカーショット<1989年>

国内男子ゴルフ最高峰の舞台「日本オープン」。数々の名勝負を生み出した激闘の歴史をプレーバック! 今回は、1989年に行われた第54回大会をピックアップ。

TEXT/Yoshikawa Takeo

第54回大会(1989年)
名古屋GC和合C/18H・6473Y・P70

優勝:尾崎将司
-6 Total 274(66・68・67・73)

初日に66をマークし2位発進の尾崎将司。2日目も68で首位に立つと、3日目も67で2位のブライアン・ジョーンズに3打差をつけ首位キープ。だが、最終日の尾崎は5番でティーショットを曲げて林に入れボギー。9番でもティーショットを左松林に打ち込み5オン2パットの7と大叩き。ジョーンズとの一騎打ちとなる。尾崎は15番で2.5メートルを慎重に沈めたが、これはボギーパットで、この時点でジョーンズが1打リードで首位に躍り出た。

迎えた17番は池越えの171ヤード、パー3。尾崎の球は無情にも左の深いバンカーに。それを見たジョーンズは勝利を確信したことだろう。ところが、バンカーから放たれた尾崎のボールは、ゆっくりと転がり続け、カップに吸い込まれる起死回生のバーディ。

最終18番でフェアウェイをとらえたジョーンズだったが、3Wで打った残り220ヤードの2打目を右に大きく曲げOB。尾崎の2打目は、再びグリーン左のバンカーにつかまるが、OBのジョーンズにはなすすべもなく、1メートルのパーパットを沈めた尾崎が史上4人目の日本オープン連覇を達成した。

100回打って1回入るかどうかの難しいショット。ボールがカップに吸い込まれると勝負の流れは尾崎に傾いた

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月1日号より