【名手の名言】ゲーリー・プレーヤー「グッドとグレートを分ける要素のひとつは、強い心だ」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は「ビッグスリー」のひとりで世界で150勝以上を挙げるレジェンド、ゲーリー・プレーヤーの言葉を2つご紹介!
グッドとグレートを分ける
要素のひとつは、強い心だ
ゲーリー・プレーヤー
ゲーリー・プレーヤーは、ジャック・ニクラス、アーノルド・パーマーとともに「ビッグスリー」と呼ばれ、世界のゴルフシーンを席巻した。
プレーヤーが他の2人と異なるのは、出身地。ニクラスもパーマーも米国人だが、プレーヤーは“遠い”南アフリカ。今でこそ、プレーヤーを慕って大成したアーニー・エルスなどがいて、“近く”なったが、1960年代、米国ゴルフ界にとっては僻国だった。
そんなハンディを背負いながら、世界中を駆け巡り、メジャー獲得数9勝は歴代3位。168センチと小柄ながら、早くからウェートトレーニングを取り入れるなど、身体を鍛え上げた。
そして強靭な肉体の内に宿る、強靭な心。これがあってこそ、グレートなショットが生まれるとプレーヤーは説いている。
青木功と仲が良く、日本人のもつ忍耐心という概念に魅かれたプレーヤーは、南アフリカの自宅(牧場)に飼う愛馬に「ニンタイ号」と命名したこともある。
腰をグラインドさせるんだ(笑)
クラブは手で振るのではなく
“腰”で振るのですよ
ゲーリー・プレーヤー
これまで紹介した名言のなかで「(笑)」が入っているものはなかったが、以下のエピソードを知るとなるほどと納得してもらえるだろう。
プレーヤーはマスターズに3度勝っているが、74年に勝利したときに、興に乗り、クラブをギターに見立ててエルヴィス・プレスリーの真似をしたという。
小泉元首相もブッシュ前大統領の前で親愛の情をあらわすために、プレスリーの真似をして見せたが、ことほど左様にこの世代の者にとってはプレスリーは特別の人なのである。
それはさておき、プレーヤーはマスターズでプレスリーの真似をした直後、プレスリー本人から連絡をもらった。そしてゴルフをした。
そのときにプレスリーからの「どうすればゴルフが上手くなるんだろう?」との問いに、プレーヤーは、「ブルーハワイであなたがやったみたいに――」に続いて、表題の言葉で答えたというのである。
プレスリーは前年の73年、ハワイにおいて伝説に残る復活のステージをおこなっていた。腰をグラインドさせる、プレスリー独特のセクシーな身のこなしも復活していたのは当然のことだ。
そして77年、プレスリーは42歳の若さで没した。プレーヤーは86歳の今も健在で、勝利数は164回を数える。プロ生活で世界中を飛行機で飛んだ距離は、地球600周に相当する1500万マイル以上にのぼるという。
■ゲーリー・プレーヤー(1935年~)
南アフリカ・ヨハネスブルグ生まれ。母親を幼くして亡くし、父親は炭鉱で働き、貧困な少年時代を送った。スポーツ万能であったが、ゴルフを選んだのは15歳のとき。その6年後には南アフリカオープン優勝。地元有志のサポートで米ツアーに参戦。メジャー優勝は、59年の全英オープンを皮切りに、全英は計3勝、マスターズ3勝、全米プロ2勝、全米オープン1勝の全9勝。米ツアー24勝をはじめ、全世界で150勝以上を挙げた。ニクラス、パーマーとともに『ビッグスリー』として、世界のゴルフシーンをリードした。ニックネームは黒豹。
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