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【小祝さくら「ゴルフときどきタン塩」】Vol.1「ゴルフ、ときどき天然」

国内女子ツアーを牽引する女子プロのひとり、小祝さくら。ほんわかした雰囲気を持ちつつも「連続出場」歴代4位の記録を持ち、24歳ながらすでにツアー7勝の実力者。そんな小祝の素顔や、ほっこりとした日常を追っていく――。

THANKS/札幌リージェントGC PHOTO/Satoru Abe ILLUST/Saho Ogirima

小祝さくらは、タン塩が好きだ。

「牛タンがいちばん好きです。試合中の夕食は、焼き肉を食べることが多いんです」

ガッツリ系?

「そうですね……焼き肉だと、いろいろなものが実はバランスよく食べられますし。でも、脂っぽいお肉はダメ。この歳でサーロインなんかを2枚食べたら、胃もたれしてヤバいなって思います。焼き肉屋さんでよく注文するのは、牛タンとミノと、あとは豚ホルモン。牛ホルモンより脂が少ないんですよ。牛だとシマチョウみたいな脂が多いのになるから」

実はとても体に気を使っている。

北海道人らしくラムも食べるが、ジンギスカンより生ラムが好き。焼き鳥も好きだ。もちろん魚系も食べる。ナマコ酢が好きで、今夏北海道に帰ったとき、堪能した。

苦手なものもある。

「イカの塩辛、ワサビ、ネギも苦手。あ、ニンジンも。お漬物もダメです」

だから、お寿司はサビ抜き。焼き鳥屋で「ねぎま」を頼むがネギは食べられない。では、普通の「トリモモ」を頼めばいいのだが、あえて「ねぎま」を頼んでしまうのがさくら流。

焼き肉屋で「玉子スープ」を頼んで「玉子以外は抜いてください」と言ったり、冷麺を頼んで「麺だけでお願いします」と言ったりもする。

「そんなに抜いたら、一体何が残るのだろう」と周りは一瞬思ってしまうが、これもさくら流。なんとなく納得させられてしまう。

住友生命Vitalityレディス東海クラシックの週、タン好きのさくらを誘ってくれた青木瀬令奈(写真:本人提供)

お酒は飲まない。

「飲めるんですけど、苦くて好きじゃないんです。まだちょっと美味しいとは思えません」

体調管理はしっかりと。地味だが偉大な「連続出場」歴代4位(121試合)の記録は、こうして生まれる。

朝ごはんは和食派。ご飯とお味噌汁、鮭、目玉焼き……王道だ。

「いただきます」

食事は、必ず手を合わせてから始める。ちなみに目玉焼きは、先に白身を食べて黄身部分を綺麗に残す。

「こういう食べ方なんです。黄身は、最後ガッツリ食べるんです(笑)」

とても健やかな食べっぷり。見ていて気持ちがいい。

「私、夏でもそんなに食欲はなくなりません。体重が減るなんてこともそんなにない。急に食欲が増すことはありますけど(笑)」

「私は太っているから」と言うが、「痩せたい」とは言わない。今の自分がちょうどよいことをわかっている。だからしっかり食べる。それが連戦に耐えられる体力を作るから。

今年も小祝は、休むことなく、ツアーで戦い続けている。

小祝さくら、24歳。ゴルフが上手くなるにはどうすればいいかを常に考えて行動しているけれど、ときどき天然。そんな小祝の、真摯でほっこりした日々を追っていく――。(つづく)

朝ごはんは和食派。この健やかな食べっぷりが、ツアー出場“ほぼ皆勤賞”の体力を支えている

こいわいさくら。1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、17年のプロテストで合格。19年初優勝、21年は5勝を挙げ最後まで賞金女王を争う。「黄金世代」を引っ張る存在だ。「私が連載なんて、自信はないですが、普段通りでいきます」

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月18日号より