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【ゴルフ初物語】Vol.100 札幌GC輪厚Cで開催のANAオープン。1973年の第1回大会を制したのは…?

男子ツアー、ANAオープンが今週、札幌GC輪厚コースで3年ぶりに有観客で開催。1973年に「全日空札幌オープン」としてスタートし、今年で48回目。札幌GC輪厚コースは井上誠一が北海道で初めて手掛けたコースでもある。

ツアー制度施行元年、初代賞金王に輝く

1970年にプロ入りした尾崎将司は71年の日本プロで初優勝すると、この年、5勝して賞金1812万5000円を獲得。翌72年は10勝で2998万8000円と、2年連続、獲得賞金の史上最高額を更新していた。

そして73年に「ツアー制度」が施行されると尾崎は2戦目の公式戦、5月の関東プロで早くも勝利を挙げる。そして迎えた7月の7戦目。71年に札幌テレビと札幌ゴルフ倶楽部の共催で始まった3日間大会「STVカップ札幌オープン」が4日間大会になり大会名も新たに「全日空札幌オープン」に。前年の札幌オープンを制していた尾崎は15メートルの強風が吹く大荒れの最終日、首位と6打差、12位からのスタート。すると1イーグル、5バーディ、2ボギーの「67」で一気に逆転し、シーズン2勝目を挙げる。8月の東北クラシック、10月の太平洋クラブマスターズ、東海クラシックでも勝利し、年間5勝。4381万4000円を獲得し、男子ツアーの初代賞金王を戴冠した。

尾崎は翌年の全日空札幌オープンも連覇。さらには89年、92年も優勝し、94年、95年と再び連覇。そして2002年大会の最終日、16番パー3で首位に並んだ尾崎と藤田寛之。迎えた17番は3打目地点から左に大きくドッグレッグする輪厚名物のパー5。尾崎のティーショットは右のラフで、木の根に近くかなりシビアな状況に対し、藤田のティーショットはフェアウェイど真ん中。ところが尾崎はアイアンのシャフトを折りながらもスーパーショットでパーセーブ。藤田は2打目で林越えを狙うも、トップして林に入り、このホールをボギーとし勝敗が分かれ、尾崎が大会7勝目。札幌GC輪厚コースとの相性の良さを見せつけるとともに、ツアー最年長勝利記録を更新した。

第1回大会で優勝した尾崎将司は2002年の全日空オープンも制し、大会7度目の栄冠をつかむ。これがツアー通算94勝目(国内112勝)。55歳241日という国内男子ツアー最年長優勝記録も打ち立てた

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月27日号より