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有観客で決行! 70万人が集うPGAのモンスター大会が下した決断とは?

PGAツアーの、ウェイストマネジメントフェニックスオープンは2月4日に開幕。批判もあるなか、観客を入れての開催となる。

フェニックスオープンといえば、米ツアー随一の観客数を誇る試合。2年前から観客数の発表はなくなったが、たとえば2018年には72万人近くの集客があったほどの“モンスター大会”。ギャラリー収入・利益(チャリティ基金)は10数億円にのぼるとされ、それに頼る地元の慈善団体などが少なからずあることから、無観客というわけにはいかなかったというのが実情のようだ。

とはいえ、コロナ禍の折、当然これまでどおりというわけではない。観客席に囲まれる16番パー3ホールは「これまで3階建てのギャラリースタンドに1万6000人を収容していましたが、今年は平屋造りに変更。収容人数はまだはっきりとはわかりませんが、大幅に減ることは間違いありません。しかも、今年は16番ホールの周りを4つのセクションに分け、各自、決まったセクションに留まるようにしてもらいます」と、トーナメントディレクターのスコット・ジェンキンズ氏は語っている。

観客に囲まれる名物16番ホールのパー3、通称「スタジアム」。今年はこれが平屋になると思うと少し寂しい気もするが……(写真は2019年の同大会。PHOTO/Tadashi Anezaki)

これによりギャラリーは1日8000人前後ではないかと推定。入場ゲートで体温測定を行い、マスク着用も義務化するという。「192エーカー(93万平米、東京ドームの約20倍)のTPCスコッツデールのコースで、十分にソーシャルディスタンスを取れるように工夫している」そうで「チケットは完売です。とくに金曜、土曜日のチケットは、12時間で完売しました(7日の日曜にはアメフトのスーパーボウルがあり、試合後にコース内で会食などができないため日曜日のチケットの売れ行きが遅かった模様だ)」という。このほか、ネットで募ったファンの顔写真で横断幕を作って会場に設置し、試合を盛り上げるなど趣向を凝らしている。

この試みがうまくいけば、現状、ほとんど無観客で開催されている米ツアーの今後にも影響を与えるはず。開催地のアリゾナはすでに9000人の死者を出し、1週間で4万人前後の感染者を出しているが、無事に大会が終了することを祈るばかりだ。

週刊ゴルフダイジェスト2021年2月2日号より