【新春インタビュー#2】古江彩佳「調子が上がらないときは頭の中で“あゆ”の曲を流します」
PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Arihara Hiroaki
笹生優花、古江彩佳、原英莉花、小祝さくら。2020年の賞金ランク上位4人のフレッシュな女子プロたちにリモートインタビューを敢行。2020年を振り返ってもらうとともに、2021年の豊富を語ってもらった。2人目は、20年に3勝を挙げ賞金ランク2位と大活躍の20歳、古江彩佳だ。
GD 2020年の成績を振り返ってみていかがですか?
古江 なんとか1勝したいという気持ちで臨んだので、3勝という結果には自分でもちょっと驚いています。しかもコロナ禍で無観客という異例の事態。とにかくいつもと勝手が違いました。初勝利は6戦目のデサントレディース。勝因は“気楽さ”でしょうか。「絶対優勝」と思うでもなく、自分のできることを淡々とこなしていたら、3日間60台でまとめることができました。
GD 昨年のスタッツを見ると“穴”がない印象です。
古江 これまではショットが好きで、褒めていただくことも多かったんです。嬉しいんですけど、実はシーズン前、いちばん練習したのはアプローチでした。30~60ヤードくらいの中途半端な距離を徹底的に練習しました。試合が始まるまで長かったですが、それが逆に功を奏したというか、自信になりました。これまでは練習しても試合でやる勇気がないこともあったんですが、十分練習したので「よし、やってみよう」と思えたんです。
GD 2020年「印象に残る1打」を選ぶとしたら?
古江 うーん、2ついいですか(笑)。2つともプレーオフのパー4の2打目です。まずは、プロ初勝利のデサントレディース。池絡みの18番パー4の1打目が思いどおりのどころにレイアップできた。するともう池が見えなくなりました。実は記憶もあまりないくらいなんです。で、2打目にピッチングでベタピン。それを沈めて勝てました。2つ目は伊藤園レディス。プレーオフは18番パー4の繰り返しだったんですが3ホール目に突入したところでカップが“攻められる位置”に切り直されたんです。そこでセカンド約160ヤードをピン狙い。キャリーは思いどおりでランもいい感じ。ピンに当たったようで30センチのところで止まってカップイン。あの距離を寄せられたことに「よし」と思いました。
GD 全米女子オープン初参戦の感想は?
古江 日本ではできない経験をさせてもらいました。たとえば芝。ティフトン芝は日本でも経験があったんですけれど、アメリカはまた違うんです。あとは気候の変化への対応や英語……。予選落ちした後はYou Tubeでまずは英語の学習法を探したりしました。なかなか続かないんですけど(笑)。ただ、当面は米ツアー参戦は考えていなくて。日本ツアーに集中しながら、タイミングが合ってスポット参戦できるような試合があれば考えたいです。
GD 束の間のオフ。何をして過ごしますか?
古江 普段だったら友達と食事や買い物に行くんですけど、いまはなかか……。音楽ならayu(浜崎あゆみ)です! 私が5歳のころ父がCDを持っていて、それについているライブDVDも見ていたんです。何度も見ているので歌や振付けはもちろん、ファンとのやりとりも完全に覚えちゃって(笑)。試合中、とくに調子が上がってこないときは頭のなかでayuのアップテンポの曲を流してテンションを上げます。いつかayuに知ってもらえるように頑張ります!
ゴルフ以外のスポーツも好きで、学生のころはバレーやバスケットをやっていました。年末はフィギュアスケートをずっと見ていて大感動しました。同世代の選手を見ていると刺激を受けるというか「私も」という気が湧いてくる。「感動を与える」という言い方はちょっと違うかなとも思うんですけど「よし、私も頑張ろう」みたいな気持ちを選手と見ている人が共有できるってすごい。そう考えると、ゴルフも早く有観客になるといいですよね。ギャラリーの方に喜んでもらいたいし、私もそういう雰囲気を楽しみたい。
2020年は、ゴルフができないという経験をしたからこそ逆にゴルフができることに感謝する気持ちが強まりました。2021年も楽しみながら目標をひとつひとつクリアしていきたい。開幕戦のダイキンには準備万端で臨むつもりなので、今年もよろしくお願いします!
週刊ゴルフダイジェスト2021年1月26日号より