【2022女子ツアー序盤戦を振り返る】「“桃子”が3人」「 “姉妹”で活躍」早くも名場面ぞくぞく
毎週盛り上がりを見せる国内女子ツアー。開幕からまだ2カ月しか経っていないが、早くも記憶に残る名シーンが生まれている。そのいくつかを振り返ってみよう。
PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara
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リーダーボードに「桃子」が並んだ!
昨年5月のパナソニックオープンでもプレーオフで大里桃子との“桃子対決”を制し優勝した上田桃子。あれから約1年、埼玉県の石坂GCで行われた「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で、大会2日目を終えて3位タイと好位置につけた上田だったが、リーダーボードを見ると、上にも下にも「桃子」の文字。なんと単独2位に大里桃子、上田と同じ3位タイに岸部桃子と、優勝圏内に3人の桃子が並んだのだった。
最終日は、最終組に鈴木愛と大里、岸部、そして最終組のひとつ前から上田が追う展開となったが、難コースで3日間「69」を並べた上田が2位に3打差をつけ逆転優勝。昨年に次ぐ2度目の“桃子対決”も見事に制した。
上田桃子
「桃子」の由来:父の友人が女児用に用意していた名をもらった
結婚したばかりの夫は「すごく応援してくれる」というが、残念ながら大会には足を運べておらず、ミセス初Vには立ち会えていない
大里桃子
「桃子」の由来:プロゴルファーの妻だった菊池桃子に因む
トップアマの父が長男にはジャンボ尾崎から「将司」、妹は「ゴルファーの嫁になれ」ということで「桃子」と命名されたのだとか
岸部桃子
「桃子」の由来:中国では桃が縁起がいいから
初優勝を狙った岸部。前半はよかったが「後半ショットが乱れて、チャンスを作れなかった」といい、6位タイと優勝には手が届かなかった
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22年ぶり4人でのプレーオフ
4月のKKT杯バンテリンレディスでは、2000年の日本女子プロ以来となる4人によるプレーオフに。「黄金世代」の植竹希望と「プラチナ世代」の西村優菜、吉田優利、小倉彩愛という若手4人の争いは、1ホール目で西村が、2ホール目で小倉が脱落し、植竹と吉田の一騎打ちに。両者一歩も譲らぬ展開のなか、6ホール目に植竹がバーディを奪って勝負あり。黄金世代10人目の優勝者となった。2時間に及ぶプレーオフは2002年の「ヴァーナルレディース」を上回り過去最長の熱戦となった。
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“姉妹”がツアーを盛り上げた
妹がキャディとして優勝争いをサポート
(富士フイルム・スタジオアリス)
岸部桃子の妹・華子はティーチングA級を持つプロゴルファーで、小誌2020年のビューティクイーンにも選出。これまでも何度かトーナメントで姉のバッグを担いできた。スタジオアリスでは2人で優勝争いを闘ったが「2人だけ違う空気みたいだった。でも一緒に優勝したかったなと思います」(桃子)。姉妹で優勝の栄冠を手にする日も遠くないだろう。
姉は2位、妹はローアマ
(KKT杯バンテリンレディス)
姉・吉田優利 妹・吉田鈴
吉田優利の妹・鈴さんは今年高校を卒業しオーガスタ女子アマにも出場。バンテリンレディスでは32位タイでローアマを獲得し、表彰式にも出席。姉の優利が優勝していれば、姉妹そろってトロフィを掲げる姿が見られたが、惜しくもプレーオフで敗れ、実現ならず。鈴さんは今後もマンデーからトーナメント出場を目指していくということで、姉妹で表彰式に立つ姿が見られるかも。
双子の姉妹が同組に
(富士フイルム・スタジオアリス)
姉・岩井明愛 妹・千怜
スタジオアリスでは、初日に双子の岩井明愛・千怜姉妹が同組でプレー。妹・千怜のキャディを務めたのは2人の父親・雄士さんで、親子3人の共演が実現したが、千怜は2打足らず惜しくも予選落ち。一方の明愛は予選を通過し、自己最高の14位タイでフィニッシュ。ふたりとも昨年ステップ・アップ・ツアーでは優勝しているが、どちらが先にレギュラー初勝利を手にするか?
堀琴音、史上初の姉妹そろって複数回V
(Tポイント×ENEOS)
昨年、悲願のツアー初優勝を挙げた堀琴音。今季も開幕戦から好調を維持すると、3戦目で早くも優勝。初優勝までは時間を要したが、2勝目までは24試合と、早々に複数回優勝を達成した。姉の奈津佳もツアー2勝で、姉妹揃っての複数回優勝はツアー史上初。6月のアース・モンダミンカップでは、史上初の姉妹で同一大会優勝という快挙にも期待がかかる。
週刊ゴルフダイジェスト2022年5月10・17日合併号より