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主催は“選手会”!? 男子ツアー復興へ。前代未聞の新規大会が5月に開催【バックナイン】

PHOTO/Tadashi Anezaki

低迷が叫ばれる日本の男子ツアーに新しい動き。試合の成立そのものを一変させるかもしれないトーナメントが今春開催される。

大会名は「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップbyリシャール・ミル」。主催はジャパンゴルフツアー選手会だ。

現在、日本ツアーを主管するのはJGTO(日本ゴルフツアー機構)なので、主催は当然同機構になるのが自然。しかし今回は、主催はあくまで同機構に属する選手、いわば“社員たち”206人なのだ。JGTOは共催にまわる。

選手会副会長兼事務局長の池田勇太はその動機を「コロナ禍で試合が開催できない状況で自分たちに何ができるのか模索してきました。自身の職場をつくる思いで、選手一人ひとりがスポンサーを探し『選手がつくる選手のための大会』を企画立案しました」と話す。そこには新規試合をなかなかつくれないJGTO執行部への諦観が言外ににじむ。

そんな選手会の思いに共鳴したのが、宮里優作、成田美寿々らがアンバサダー契約を結ぶ高級腕時計メーカー、リシャール・ミルジャパンだ。同社は「選手が中心になり、斬新なアイデアを入れながら、地域貢献をしていくということに共感した」と特別協賛する。

1本数千万円もザラな超高級腕時計メーカー「リシャール・ミル」がスポンサード。宮里優作もアンバサダーの1人

賞金総額はツアー規定の最低額となる5000万円(優勝1000万円)だが、「賞金の多寡より、大事なことは継続していくこと」と池田。

そして選手会は「トーナメントの企画、権利は選手会にある」「スポンサーの意向を反映し興行の拡大を目指す」「開催地はトーナメント未開催の地域で社会・地域貢献」「生放送、長時間放送にこだわる。72ホール放送で予備日も設定する」と宣言。つまり、興行権と放映権は選手会が持つと明言したわけだ。これこそが今まで実現できなかった画期的なことだ。

喝采を送るのがテレビ解説者のタケ小山氏。「これまでトーナメントの成り立ちというのは、テレビ放映枠があり、そこに広告代理店がスポンサーをつけて合が成立する図式。これでは放映権などJGTOは持てやしません。それを打ち破るには自分たちで試合をつくるしかないことを選手会が実現してみせた。これを実はJGTOが裏で演出してれば“大あっぱれ”でしょうが、そんな器量はないでしょう(笑)。ただJGTOに同情すれば、これまでのシステム上、表向きには動けなかったでしょうね。ともかく選手会にあっぱれです」

なお男子下部AbemaTVツアーでも、同名チャレンジとして開催調整中だ。

週刊ゴルフダイジェスト2021年1月26日号より