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【わかったなんて言えません!】Vol.72 香妻陣一朗 #5「ジャンボさんとのラウンド」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。香妻陣一朗の最終回は、ジャンボ尾崎とのラウンドの話から、パッティングの話へと続いていく。

TEXT/Yuzuru Hirayama PHOTO/Hiroyuki Okazawa

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名/香妻陣一朗

1994年生まれ、宮崎県出身。12年プロ入り。20年の三井住友VISAマスターズで初優勝。昨季は賞金ランク8位。SNSにも注目

前回のお話はこちら

時松 陣は、いつ頃プロになろうと決めたの。

香妻 中学生のときに九州大会で優勝し、はじめてプロになれるんじゃないかなって思ってからですね。でもその後、初めてKBCオーガスタに出て、やっぱプロの試合って難しいなって思い知らされましたけど。

時松 初めてプロの試合で予選通ったのはいつ。

香妻 高校3年のときに、東広野でやったパナソニックです。

時松 僕はジャンボさんがエージシュートしたときの、つるやオープン。

香妻 それ僕のプロデビュー戦ですよ。じゃあジュニア時代では予選通過はないんですか。

時松 うん。でもあの試合はジャンボさん目当てでギャラリーめっちゃ多かったよな。陣はジャンボさんと回ったことは。

香妻 あります。そのときに、「お前は俺をなめてるな」って言われました。

時松 ほんと!?

香妻 ジャンボさんがまだパターをしているときに次のティーイングエリアに移動したり、池に入ったときに処置で手間取ったあと走らずに歩いて行ってスミマセンと言ったら、怒られて。


時松 こわいっ!

香妻 眉間にシワが寄ってましたけど、メッチャ怒ってはいなかったです。それで、すみませんって。ありがたいです。

時松 俺はVISA太平洋でジャンボさんとパク・ジュンオンと回ったんだけど、3人ともドライバーの飛距離がだいたい同じで、俺のボールを見て「お前、ココかぁ」みたいに割と機嫌よかったです。アイアンはボクよりも飛ぶしね。17番のパー3で僕は4番アイアンで打ったんだけど、ジャンボさんは「お前4か」って言ってから、ガーンって打って。それで僕に無言でアイアン見せてきたんだけど、5番だったので「マジすか!」って驚いた。

香妻 ジャンボさんの飛距離は衝撃的ですよね。

時松 ジャンボさんは27ホールで棄権したんだけど、「ありがとうございました、勉強になりました」って挨拶したら、「お前はパターが下手だから練習しておけよ」って言われたよ。ジャンボさんがいなくなってからは2バーディだったけど。

香妻 ははは(笑)。

時松 陣はパターが上手いよな。ドライバーも飛ぶし。

香妻 ドライバーは曲がるから、飛んでも意味ないですよ。

時松 パッティングは、なんか上手いよね。

香妻 なんか、ですか(笑)。

時松 いや。飛ぶ人ってそういうところが雑になる印象があるから。パッティングはどんなイメージでやっているの。

香妻 ラインの読みとかもありますけど、でも最終的には出球が自分のイメージしたところに出ればいいと思っているので、いつも同じように打って、同じところに出すという練習はしています。ラインに乗せるとかそういう練習じゃなくて、出球だけをイメージしてやっています。

パット巧者の時松が香妻に聞くパットのコツ。「出球がイメージした場所に行けばいい。いつも同じように打って、同じところに出す練習をします。ラインに乗せるとかではなく、出球だけをイメージしてやっています」(香妻)

時松 悩んだことはないの。

香妻 ありますよ。去年の夏頃はズレてきて全然入らなくて。それでフジサンケイくらいからいろいろやるなかで、球の位置をもっと左に置いたらいいかもと思ってやったらよくなってきたんです。年に1回はそういうことがありますよね。ずっと調子いいことってなかなかない。

時松 そういうときは、自分で解決するの。

香妻 もちろん森守洋コーチに相談もしますけど、でも調子悪いときは、練習量が増えるじゃないですか。練習しまくっていると何か見つかるんですよね。

時松 ドライバーもずっとあまりよくなかったのが、秋によくなったって言っていたけど、ドライバーもパターも同じ時期に悪くなって、それが同時によくなったんだね。

香妻 やっぱり、よいときって全部よくなるんですよね。パッティングが悪いと、乗せても入らないし、そうしたらもっと近くに寄せたいと思うからショットがよくなってくるんです。

時松 ところで、ゴルフスタジオを作ったんでしょ。

香妻 僕が作ったわけじゃないんです。監修です。大阪の茨木駅前の「Jホリック」って3打席のインドアシミュレーションゴルフのスタジオなんですけど、下の階がトレーニングジムで、工房もあるのでグリップ交換とかもできます。

時松 陣は行くの。

香妻 よく練習しに行きます。オフには僕のレッスンもあるんですけど、なかなか行けないので予約が数カ月先とかになっちゃいますけど。

時松 僕はただで教えてくれる?

香妻 教えますよ(笑)。

時松 それは助かるわ。そのうち行きます。

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より