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タイガー主催のジェネシス招待を制したのは23歳のニーマン。53年ぶりの完全優勝

タイガーがホストを務める「ジェネシス招待」で、南米チリ出身の23歳、ホアキン・ニーマンが初日から独走し、完全優勝を飾った。

世界ランクのトップ10が集結した大会で「生涯最高のゴルフができた」というニーマンは、最終日11番のチップインイーグルで圧勝ムードを漂わせた。ところが、C・モリカワが猛烈な追い上げで差を詰めると、14番&15番で連続ボギーを叩き、23歳の顔色が青ざめる。しかし2打差で逃げ切り、「この週末は1カ月にも感じられた」と苦しかった胸の内を吐き出した。だが、苦しんだからこそ勝利の美酒は甘い。「仲間に表彰式の姿を見せられて最高の気分」と喜んだ。

“仲間”とは、ツアーを一緒に戦うラテン系の選手たち。C・オルティスやS・ガルシア、S・ムニョスらが、ニーマンの優勝を最後まで見届けた。南米の選手たちは普段から試合のたびコースの近くに家を借り、シェフを共有、行動を共にする、いわば家族のような存在なのだ。

18歳でアマチュア世界ランク1位となり19歳でプロ転向すると、主催者推薦で出た7試合でシードを確定させた天才肌。デビュー翌年、20歳で初優勝を飾ったが、その後は勝てそうで勝てない時期もあった。

辛抱強くチャンスを待った甲斐があって、大会ホストながら、いまだこの試合で勝ったことのないタイガーより先に勝利をつかんだ。しかもタイガーの1試合での最高賞金(19年マスターズ)を上回る216万ドル(約2億5000万円)を獲得。さらにチャーリー・シフォードが69年に勝ったとき以来、53年ぶりとなる完全優勝を果たした。

「シフォードさんが存命なら今年100歳。その年に勝てたことにも意味がある」とニーマン。TOEFL(英語試験)の点数が足りずアメリカの大学進学を諦めた過去もあるが、今回は流暢な英語でスピーチを行った。

憧れのタイガーからカップを受け取り「これ以上の喜びはない」と感無量。(写真は2021年ZOZOチャンピオンシップ。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月15日号より