【名手の名言】ベン・ホーガン「ピンそばにつければグッドショットだが、ホールインすればただの偶然」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は稀代のショットメーカーとして知られる伝説の名手、ベン・ホーガンの言葉を2つご紹介!
ピンそばにつければグッドショットだが
ホールインすればそれはただの偶然
事故にすぎない
ベン・ホーガン
本当に意外なことだが、ベン・ホーガンは試合では1度としてホールインワンはしていない(練習では4度といわれているが)。
ホーガンは「稀代のボールストライカー」と言われ、ゴルフ史上No.1だと推す識者も多い。練習で同じクラブで毎ショット、同じディボット跡に落としたという伝説も残っている。
そんなホーガンが語っていたのが、「ピンそばは狙える。しかしホールインすることは狙えない。だから狙い通り(ピンそばに)いったら、それがベストショットだ」という言葉。
もしそのボールが入ったとしたら、途端にラッキーに早変わりする。それは単に偶然であり、事故でもあるというのだ。 ホーガンは寡黙だったが、たまに口を開くとドキッとするような言葉を発する男だった。
私は確かに秘訣を発見した
しかし、これはトーナメントゴルフから
引退するまでは誰にも話さない
ベン・ホーガン
ホーガンは、悪質なフックを血のにじむような不屈の練習で克服した。その完璧なプレーを見て、多くのプロ、アマたちがその秘訣を探り、聞こうとしたが、ホーガンは首を振って表題の言葉を吐くのが常だった。
そして1955年、全米オープンにプレーオフで敗れ、5度目の勝利を逃した直後に引退を表明。
これを聞いたタイム・ライフ社は、「秘訣」の独占公開を求め、原稿料2万ドルをホーガンに払った。そしてついに雑誌『ライフ』1955年8月8日号に、「これが私の秘訣だ」として掲載されたのだ。
それが有名な「左手グリップを少し左へずらすこと」と「トップで左手首をわずかに甲側に曲げること」の2つだった。
この方法は従来からフック療法として普遍的に知られてはいたが、あまりにホーガンが神格化されていたものだから、付加価値がつき、ホーガン伝説として今に至っている。
■ベン・ホーガン(1912~1997年)
米国・テキサス州生まれ。19歳でプロ入り。173センチ、74キロと小柄ながら、稀代のショットメーカーとして伝説的な存在。全米オープン4回、マスターズ2回、全米プロ1回、全英オープン1回の優勝歴を持つ。1949年、再起不能といわれるほどの自動車事故に遭いながら、翌年奇跡のカムバックを果たしたことでも知られる。「アイスマン」と称された冷静沈着なプレーで、ボビー・ジョーンズと並び「最強のゴルファー」と称されている。
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