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開幕間近! 女子プロたちはどんな練習しているの? 有村、永峰、河本…「チーム目澤」の宮崎合宿に潜入

本誌連載でもおなじみ、目澤秀憲コーチが教える有村智恵、永峰咲希、河本結に加え、期待のルーキー河本力の4人が宮崎で合宿を行った。いったいどんな練習を行っていたのか。その中身の一端をご紹介。

PHOTO/KJR THANKS/UMK カントリークラブ

今回の合宿の序盤には橋本真和パッティングコーチを招聘して、パッティング講座を行った。ストロークに始まり、エイム(向き)、テンポ、タッチ、振り幅などなど、細かい内容に、女子プロたちから質問が相次いだ。(左から河本結、目澤秀憲コーチ、橋本真和コーチ、有村智恵)

1球1球に意味がある
闇雲に打つ球は1球もない

女子ツアーの開幕戦を間近に控え、宮崎のUMKCCでは、「チーム目澤」の熱の入った練習が行われていた。なかでも目を引いたのがグリーン上の練習だ。目澤は、今回の合宿にパット専門コーチの橋本真和氏を呼び、プロたちは橋本氏から最先端のパット理論や、技術、練習法などを学んだ。

アメリカではショットとパットはコーチの分業制が主流になりつつあり、目澤も昨年から、橋本氏と一緒にパットの研究をしているという。「米ツアーに行くようになって、グリーンによって転がりが違うというのを実感しました。もっとグリーン上のボールのパフォーマンスを勉強しないといけないと思い、橋本さんと一緒にプロのデータをとったり、講座を開いてもらったりしています。選手への教え方も橋本さんと僕とでは違っているので、とても勉強になります」(目澤)と、今回の試みに手ごたえを感じた様子。

橋本コーチは、「クインテック」というパット分析器を使って、選手のヘッド挙動、ボールの転がりを細かくチェック。軌道は? 入射角は? キャリーは? などなど、それはさながら弾道計測器でショットのデータを取っている雰囲気。むしろ、「パッティングには地面という要素が入ってくるので、ショットより解析が難しいんです」と橋本氏。橋本コーチが選手に“癖”を伝えると、「ああ、そのライン苦手です。だから押し出しちゃうのか」(河本)などと、納得の様子。また、パター選びの迷いも減り、「序盤戦は高麗芝が多いのでこっちのパターで行こうかな」と永峰。

クインテックを使ってストロークを丸裸に

パット分析器「クインテック」で、ヘッド挙動、ボールのパフォーマンスなどをチェック。測ると、思ったより「地面の影響」が強いのがわかる

“苦手科目”をドリルで解消

有村智恵のドリル
「ゲートを使って出球とタッチの練習」

腰の回転が入って出球が揃わなくなるケースが多かった有村。約20㎝先にゲートを作って出球を揃える練習。曲がるラインでやるとより効果的

河本結のドリル
「振り幅を決めて同じリズムで打つ」

緊張する場面などで、パンチが入る癖があった河本。リズムの音を聞きながら(90ビート)、振り幅を決めて練習。本番で練習と同じように打てるためのドリル

永峰咲希のドリル
「ボールの転がりとタッチの練習」

インアウト軌道がきつくなりやすく、軌道に対しフェースがかぶりやすかった。その場合サイドスピンが発生し、球の転がりが不安定だった。ボールの転がりを意識したタッチの練習

河本力のドリル
「エイミングをコースでも一定に」

ストロークは安定していたが、エイム(向き)がズレて、左に引っ張りこみやすかった。エイムポイントを勉強し、さらにコースで向きがズレないかをレーザーで確認

苦手なラインがわかるスノーマンドリル

スノーマンドリルとは、アメリカのパットコーチ「ポール・ハリオン」が考えた、”パットの苦手”を可視化するドリル。2球続けて入った場所を線で結んでいくと、ある12角形が見えてきて、その形が大きければ大きいほどパット上手となる。そのできあがった形が雪だるまに似ているところから”スノーマン”と呼ばれている

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月8日号より

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