10代の若者がツアーで活躍するのは珍しいことではないが、ここで紹介する14歳は、世界のトッププロが称賛を惜しまない逸材だ。

トッププロが大勢出場した「PIFサウジインターナショナル」で、バンコク（タイ）のインターナショナルスクールに通う14歳の中学生が大きな注目を集めた。両親の頭文字をとって通称“TK”と呼ばれるラッチャノン・チャンタナヌワットである。

デシャンボーが73を叩いた大会初日、TKは「69」をマーク。翌日も「71」にまとめ、14歳にして予選をクリア。3日目、4日目はスコアを落とし71位に終わったものの、並み居るプロに交じって堂々たる戦いぶりを見せた。初日、2日目を同組で回ったL・ウエストウッドはインスタグラムのストーリーにわざわざTKの画像集を作り「TKは14歳。この少年を胸に刻みましょう」と投稿した。

20年に母国で2つのジュニアイベントに優勝してから、プロの試合にしか出場していないTK。今年に入ってからは「シンガポールインターナショナル」でベスト3入り、続く「SMBCシンガポールオープン」でも34位に入るなど、プロと比べても遜色ないプレーを続けている。

シンガポールオープンでは初日一緒に回ったP・ケーシーが76だったのに対し、TKは「68」。これには大ベテランも「非常に印象的だった。彼のスキルは14歳にしては驚異的。あらゆる要素が我々の想像を超えるレベルです。技術もそうですが彼が持っている最大の武器はメンタル。感情のコントロールの素晴らしさには舌を巻きました」と絶賛した。

4歳のとき父親に連れられ練習場に行ったのがゴルフとの出合い。日本も含め世界で活躍するJ・ジェーンワタナノンドも14歳の頃から天才少年と呼ばれたものだが、ここまでの実績と注目度ではTKのほうがどうやら上のようである。

そんな彼の将来の目標は、「アメリカの大学に進学すること」。恐るべきスター候補の誕生だ。

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月1日号より

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