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セントリートーナメントで選手たちが「グリーンリボン」をつけてプレーした理由

「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」で選手やキャディがグリーンリボンを着けプレーした。その理由は?

乳がん撲滅キャンペーンのピンクリボン、白血病やガンとの闘病を強いられている選手や関係者のためのイエローリボンなどは有名だが、グリーンリボンはあまり耳にしない。実はこれ、最近他界したT・フィナウの義父ティパさんを追悼するためのもの。

大会が行われたハワイは妻アライナさんの故郷。つい1カ月前までティパさんも試合観戦を楽しみにしていたが、突然の他界。そこで故人を偲び、選手たちが自主的にグリーンリボンを着用したのだ。

その心遣いにアライナさんはSNSへ「なんて素晴らしいゴルフファミリーでしょう! 言葉になりません」と感謝の投稿をした。

フィナウはサモアとトンガの血を引くポリネシア系アメリカ人。妻もハワイ生まれのポリネシア系で、年末年始は住まいのある雪深いソルトレークを離れ、暖かいハワイで過ごすのが恒例。初優勝から5年以上も勝てそうで勝てず、「フィナウが勝てないのはツアー七不思議の1つ」といわれたが、昨年ようやく2勝目。22年の開幕戦でプレーする姿を義父にも見せたいと願っていた。

ハワイ滞在中、グリーンリボン以外にもう1つフィナウが妻を感動させる出来事があった。それは妻の母校カフク高校のフットボールチームを激励し、同校をハワイ州チャンピオンに導いたこと。

「選手たちの前でスピーチをしてほしいとコーチに頼まれたけれど、フットボールのことは何もわからないから、アスリートとして大切な心得を話した。チーム優勝は自分のおかげでもなんでもない。きっと彼らが勝利に飢えていたんだね」

ポリネシアンアスリートの代表として、フィナウはこれからも謙虚&ハングリー精神で3勝目を目指すつもりだ。

ポリネシア系は身体能力が高いとされるが、フィナウの飛距離もそれを実証?(PHOTO/KJR)

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月1日号より