Myゴルフダイジェスト

【2022メジャー最速予想】#1「マスターズ」松山の連覇に期待! 対抗はコリン、マキロイ、シャウフェレ…

若手からベテランまで、役者が揃い、今年も熱戦が予想される男子の海外メジャー。そこでPGAツアー事情に詳しい、佐藤信人、杉澤伸章、内藤雄士、進藤大典の4人がどこよりも早くメジャーの戦いを予想。まずは4月のマスターズから!

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Taku Miyamoto、Tadashi Anezaki、Akira Kato

マスターズ
オーガスタナショナルGC/4月7日(木)~10日(日)

――21年は松山英樹選手がグリーンジャケットに袖を通すという、日本人にとっては本当にうれしい大会になりました。松山選手の連覇に期待したいのですが……。

杉澤 16、17年のフェニックスオープンでも連覇は経験しているし、なによりオーガスタとの相性はタイガー並み。可能性は十分あるでしょう。

佐藤 21年は前週のテキサスオープンで調子も悪く、イライラするようなところもあって、それがかえって期待値と自分自身へのハードルを下げ、それがいい結果につながったとの指摘もあります。

杉澤 流れによって期待がプレッシャーとなるかエネルギーになるかは分かりませんが、僕が思うにメジャーでは最終日より初日の迎え方が大事だと思います。この辺は大ちゃん(進藤)のほうが詳しいと思うけど、松山選手のその辺をどう見ていますか?

進藤 メジャーでは嫌でも気合いが入ります。これは“裏方あるある”ですが、「頑張ろうぜ!」なんて声をかけるのは野暮中の野暮(笑)。英樹はマスターズでの優勝以降、メジャーに余裕をもって臨んでいるように感じているんです。英樹自身の変化だけでなく、優勝の経験が「チーム松山」を大きく成長させているとも思うんですね。

内藤 年末に金谷(拓実)くんが世界ランク50位に滑り込み、出場権を獲得しました。そこにアジアパシフィックアマで勝った中島啓太くん。日本人が活躍するとめっぽう強いのも松山選手なので、2人の活躍にも期待したいですよね。


佐藤 中島くんの場合、マスターズのほか、全米、全英オープンの出場権もあるわけでしょ。同年のメジャー3大会のローアマも可能性があるんじゃないのかな。

内藤 日本人選手以外に目を向けると、そろそろ来そうだと感じるのがザンダー・シャウフェレかな。21年は最後まで優勝争いを演じ、勝ちたかっただろうし。そのリベンジか東京五輪では見事、金メダルにも輝きました。

佐藤 まだマスターズチャンピオンを出していない国の選手は、松山選手の優勝に大きな影響を受けたんじゃないでしょうか。たとえばノルウェーのビクトール・ホブランとか、チリのホアキン・ニーマンとか。韓国ではY・E・ヤンが全米プロで勝っていますが、イム・ソンジェにも十分チャンスはあるでしょう。

進藤 個人的にはジョーダン・スピースブライソン・デシャンボーあたりが来るのかなあ、と思います。

杉澤 あくまでも僕の願望ですけど、松山選手が誰にグリーンジャケットを着せるのか。その観点からいうとパトリック・カントレーなんかどうですか? 松山選手とは同じ歳、11年に松山選手がローアマ獲得、その翌年に松山選手を抑えてローアマになったのがカントレー。そうなったらドラマじゃないですか?

佐藤 なるほどねぇ。グリーンジャケットもそうだけど、松山選手の用意するチャンピオンズディナーも気になります。松山選手の第二の故郷、仙台の牛タンとか出したら良さそうだけど、どうもタイガーは牛タンは嫌いらしい(笑)。

進藤 確かジェイソン・デイも食べなかった気がします(笑)。

史上3人目の連覇達成なるか⁉

86回目を迎えるマスターズだが、連覇を達成したのは65、66年のジャック・ニクラスと01、02年のタイガー・ウッズのみ

佐藤 あと願望で言わせてもらえば、ローリー・マキロイのキャリアグランドスラム。ゴルフ界がどんな熱狂に包まれるのかを肌で感じてみたい。マキロイは涙のたびに強くなる選手で、19年に母国のロイヤルポートラッシュの全英オープンでまさかの予選落ち。涙、涙の記者会見でした。しかし翌年は2勝を挙げて、フェデックスランク1位になりました。そして21年はライダーカップで負けて涙を見せて、10月のザ・CJカップで優勝しています。

内藤 なるほど。ただ、ライダーカップから時間が空きすぎているので、その間にあと2勝は欲しいかな。体力的にもプレッシャーも年々大きくなって難しくなるだろうし、ここ2~3年が勝負になるでしょうね。

佐藤 マスターズは優勝すると、毎年いつでも戻ってくることのできる大会です。たとえ現役を引退したとしても、あのパー3コンテストの輪のなかには、マキロイは絶対にいてほしいし、いるべき選手だと思います。個人的にはアーニー・エルスがいないのにも違和感があるし、寂しさもあります。それだけに絶対に勝ってほしい選手です。

杉澤 コリン・モリカワもマスターズに勝つと、こちらもグランドスラムにリーチになるんですよね。もしかすると、そのあとに全米オープンにも勝って……、なんてとんでもないことも起こるかもしれません。あとで話が出ると思いますが、ショットの精度はもとより、彼の頭のよさは、メジャーで勝つ絶対条件だと思います。

佐藤信人

高校卒業後米国に渡り、ネバタ州立大ゴルフ部で活躍。帰国後プロテストを受験して合格。02年日本ツアー選手権などメジャー3勝、通算9勝。18年からJGTOの広報理事を務める

杉澤伸章

横田真一の専属キャディとしてキャリアをスタートさせ、02年から丸山茂樹の専属キャディとして渡米。現在は若手育成やゴルフ人口増加のために講演会やテレビ解説など多方面で活躍中

内藤雄士

日本大学ゴルフ部在籍中に米国ゴルフ留学し、最新ゴルフ理論を学ぶ。丸山茂樹のコーチとして海外も経験。現在も多くのプロをサポートしながら、ツアー中継の解説などメディアでも活躍

進藤大典

東北福祉大学では宮里優作や岩田寛と同期。宮里、谷原秀人の専属キャディとして活躍した後、13年からは松山英樹の専属キャディとして国内外を転戦。現在はメディアでも活躍する

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月11・18日合併号より