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【PGAツアーHOTLINE】Vol.18 サム・バーンズ<後編>「デビッド・トムズの教え」

PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOTLINE」。前回に続き、今季好調のサム・バーンズに、ゴルフで大切にしていることを教えてもらった。

Arrange/Mika Kawano Photo/Tadashi Anezaki

漠然と打つのではなくターゲットを絞ること

ルイジアナ出身のサム・バーンズがジュニア時代に出会ったカーター少年。じつはメジャーチャンプ、デビッド・トムズの息子だったのです。

パワーが持ち味のバーンズとは対照的にトムズはショットの正確性で勝負するタイプ。トムズとの出会いがバーンズにゴルフは飛ばしだけではないことを教え、新たな可能性を切り開いたのです。

「デビッド・トムズとはよく一緒に練習をします。彼は“ただ球を打つ”のではなく事前に必ず小さなターゲットを決め、これから打つべきショットをイメージ。その1打にコミットしなさいと言います」とバーンズ。


「自分にとって大きかったのはターゲットを絞るということ。漠然とあそこではなくピンポイントで目標を決め、決めたら迷わずに打つ!」

例えばピンが右手前なら「グリーンエッジに落としたいので少し狙いを左にします」。そこにハザードなどのトラブルがあった場合は「グリーンセンターにターゲットを絞ります」。

ただそこはアグレッシブなプレーで知られる彼のこと「ほとんどの場合はピンしか見ていない」と打ち明けます。

小さなターゲットを定め、こういう球筋でそこに到達させようというプランを立て、それに従って余計なことは考えず目の前のショットにコミット。それがトムズがバーンズに伝授した最大の秘訣です。

今季は開幕戦のサンダーソンファームズ選手権で優勝、ザ・CJカップで5位タイ、ヒーローワールドチャレンジで3位タイなど、まさに破竹の勢いで、フェデックスランキングも1位。この勢いは年明け以降も続きそうだ

もう1つバーンズには課題があるそうです。「正しいグリップで適正な位置で構えられるかが自分にとって大きなテーマ。握り方や位置が悪いとスウィングの出だしから軌道が狂ってしまう。下半身の動きまでグリップ1つで変わってしまいます。基本的なことだけれど、どう握って、どう構えるかはとても重要なことです」

生まれ持った身体能力で300ヤードを優に超す飛距離を手に入れ、母が与えた環境(裏庭の練習グリーン)でパットを磨き、トムズから教わった小さなターゲット作戦ですべてのパーツをツアーで戦えるレベルまで高めたバーンズ。我々週末ゴルファーも正しいグリップ、小さなターゲット、ショットのイメージを明確にすることで上達の道が開けるかもしれませんね。

コーリー・ヨシムラ

PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より