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乗り入れ可能カート、セルフプレー可。「ファイナルQT」の新スタイル

12月7日から4日間の日程で2021年度の男子ファイナルQTが行われたが、例年とは少し趣が異なっていた。

ファイナルQTといえば、来季のシード権をかけた最後の試合なだけに、ある意味で殺伐とした雰囲気が漂っているもの。また、開催時期も12月ということで寒さが厳しい点も過酷さを助長する。

それが今年のファイナルQTは、従来とちょっと雰囲気が異なる。今年の舞台は、南国宮崎のトム・ワトソンGC。しかも新型コロナウイルスの影響もあり、セルフプレーが認められ、かつ2人乗りカートでのプレーとなった。開催週は天候にも恵まれ、半袖でプレーする選手もいるほどだった。これが選手たちには好評で、「気持ちの面でも楽な部分がある」との声も聞かれた。

ただ、コースの難易度に関しては、ちょっと違ったようだ。コース管理のリーダーを務める上野桂三氏は、今週の開催に備え、グリーンの速さやフェアウェイの硬さなど入念な準備をしてきたという。想定よりも良いスコアが出なかったのは、しっかりコースが仕上げられていたからにほかならない。

さらにコロナ対策のためセルフプレーが認められたことで、林や動線といった『コース外』の整備にも、かなりの労力を費やしたという。「松林でセパレートされたコースなので、ボールがロストしないよう下草を刈ったり、松の木もできる限り取り除きました」(上野氏)

昨年よりQTのステージが簡略化され、4日間の予選と2日間の本戦より構成されていたファイナルQTが本戦4日のみとなったことで、2コース・36ホールではなく1コース・18ホールのゴルフ場でも開催可能になったことが、今回トム・ワトソンGCで開催されることになった要因の1つ。加えてセルフプレーが取り入れられた点も、時代を象徴している。今回のケースを例に、今後はファイナルQTから殺伐とした雰囲気が無くなっていくかも?

選手たちは、乗り入れ可能な2人乗りカートを使用することができた(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月28日号より