【世界基準を追いかけろ!】Vol.67「上手い選手は“音”がいい」
目澤秀憲と黒宮幹仁。新進気鋭の2人のコーチが、ゴルフの最先端を語る当連載。今回はプロコーチが考える良い選手の特徴について話してくれた。
TEXT/Masaaki Furuya ILLUST/Koji Watanabe
GD コーチ目線から見て、スウィングが良いとか、上手いなと感じる選手はどういう特徴があるのでしょうか。
黒宮 音ですよね、凄い選手はインパクトの音が違います。
目澤 確かに。松山(英樹)プロも音は大事にしています。
黒宮 音を聞いているだけで上手い選手にたどり着けますよね。特にアイアンは芝をちぎる音が違いますから。PGAツアーだと良い音をたどっていくとマキロイに行きつくんじゃないですかね。
GD 日本人の選手で、そのような音を出している選手は誰かいますか。
黒宮 女子では大城さつきプロが凄かったですね。ある試合で「後ろの打席でアイアンをいい音させて打っている選手がいるな」と思って振り返って見てみたら彼女だったんですよ。アイアン上手いですからね。クラブの扱い方が上手いんですよ。アプローチなんかを見ていても、クラブの使い方がいいですよね。ほかにもクラブの使い方が上手い選手でいうと東浩子プロや木村彩子プロですね。
目澤 確かに木村プロは、見ていて上手いですね。
黒宮 木村プロがプロゴルファーをやめようかと迷っていたときに、「絶対に稼げるようになるから」って止めました。それぐらい以前から上手かった。そういう選手は、今は成績が出せなくてもいずれ上がってきますから。
GD では目先を変えて、スウィングのパーツで考えて綺麗だと思う選手はいますか。
黒宮 僕が一番トップの形が良いなと思うのは、キム・ハヌルさんですかね。
GD 残念ですが、引退を発表されましたね。
黒宮 あと、最近スウィングが良いなと思うのは大山志保さんですね。メチャクチャ良いです。8月のNEC軽井沢のときに、日本人選手じゃなく外国人系のような良いスウィングをしている選手がいるなと思って見たら大山さんだったんですよ。スウィングが良い選手ってスウィングが大きく見えるんですよね。彼女、やっぱり復帰後は調子良かったですもんね。
GD 大山プロは左肩を故障して今年の前半は長期戦線離脱していましたね。
黒宮 おそらく、怪我で休養中にスウィングを何か調整してきたんじゃないですかね。秋口の稲見萌寧プロの次くらいに、クオリティの高いスウィングをしていましたから。
目澤 若林舞衣子さんも、復帰後のスウィングはメチャクチャ綺麗で良いスウィングだなと思いましたね。
GD 目澤さんは、PGAツアーで目についた選手、気になっている選手はいますか。
目澤 練習場で現代的な素振りをしている選手がいるなと思ったらジェイソン・ダフナーでした。その後彼が測定したGCクワッドの数値を見たら初速がすごく出ていました。ダフナーは最近、飛ぶようになっていますよね。体も若干、シェイプアップされましたし。
GD コーチはそうした違いが、素振りでわかるんですね。
目澤秀憲
めざわひでのり。1991年2月17日生まれ。13歳からゴルフを始め、日大ゴルフ部を経てプロコーチに。TPIレベル3を取得。2021年1月より松山英樹のコーチに就任
黒宮幹仁
くろみやみきひと。1991年4月25日生まれ。10歳からゴルフを始める。09年中部ジュニア優勝。12年関東学生優勝。日大ゴルフ部出身。松田鈴英、梅山知宏らを指導
週刊ゴルフダイジェスト2021年12月21日号より