【PGAツアーファン倶楽部】タイガー主催「ヒーローワールドチャレンジ」最後はショット力がモノを言う
今昨年は新型コロナの影響で中止になった超豪華な招待試合。タイガー・ウッズ主催のチャリティイベントがバハマに帰ってくる。今年は招待選手が20人になり、メジャー級の戦いが繰り広げられる!
TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Tadashi Anezaki ILLUST/Takanobu Okabe
解説/杉澤伸章
すぎざわのぶあき。プロキャディの経験をもとに独自の視点でトーナメントを分析する
タイガー・ウッズが姿を見せるかも!?
PGAツアーの非公式の試合ですが、限られた選手だけが出場できるタイガー・ウッズ主催のトーナメントが2年ぶりに開催されます。今年は出場選手が18人から20人になり、これまで以上のハイレベルな戦いが見られそうです。
松山英樹選手も出場を表明しているほか、ZOZOにも出場したコリン・モリカワ選手やザンダー・シャウフェレ選手ら、世界ランクのトップ20位以内の選手が15人もこの大会に出場します。チャリティイベントではありますが、トップ選手がここまで集結するゲームはほかにはないでしょう。
コースの設計を手がけているのはアーニー・エルスです。エルスに対して『おっとりとした性格』という印象を持っている人も少なくないと思いますが、実はプレースタイルは非常にアグレッシブで、それはコース設計にも反映されています。
バハマの高級リゾートに展開するリゾートコースですが、非常に戦略性が高く、選手たちが楽しめるコースに仕上げられています。楽しめるというのは「攻めがいがある」という意味で、攻めたくなるロケーションが用意されています。コースはリンクスとデザートコースを合わせたようなスタイルで、景色も併せて楽しむことができるコースです。
余談ですがここの練習場は400ヤードもあり、まさに現代のゴルファーを想定してエルスが組み込んだのだろうと思われます。
コースの特徴としてはグリーンが非常に小さいこと。PGAツアーが開催されるコースの平均値よりも小さめであることから、ショット力が必要になってきます。歴代のチャンピオンを見ても、松山選手や前回覇者のヘンリク・ステンソン選手にジョン・ラーム選手らショット力が高い選手が優勝しています。
そしてやはり注目はタイガーが姿を見せるかどうか。公の場に出るならこの大会以外ないでしょう。
杉ちゃんのコース解説
「グリーンが小さくピンポイントで狙う必要あり!」
1番 | 2番 | 3番 | 4番 | 5番 | 6番 | 7番 | 8番 | 9番 |
Par4 | Par3 | Par5 | Par4 | Par3 | Par5 | Par4 | Par3 | Par5 |
423Y | 187Y | 572Y | 492Y | 180Y | 595Y | 340Y | 216Y | 603Y |
10番 | 11番 | 12番 | 13番 | 14番 | 15番 | 16番 | 17番 | 18番 |
Par4 | Par5 | Par3 | Par4 | Par4 | Par5 | Par4 | Par3 | Par4 |
435Y | 589Y | 202Y | 483Y | 298Y | 548Y | 485Y | 184Y | 470Y |
【6番・ 595Y・Par5】 選択肢がたくさんあり迷いが生じる
選手はここをユニークなパー5だと表現する。ティーショットでいくつかの選択肢があるのが特徴
【7番・ 340Y・Par4】 リスクを取るか安全に守るかが鍵
距離が短いパー4。ワンオンも可能だが、狙うともちろんリスクも高くなる。狙う選手がどれだけいるか見もの
【13番・ 483Y・Par4】 長くて狭い! 左サイドに要注意
フェアウェイが狭く、ティーショットから正確性が必要。左サイドはウェイストエリアで注意が必要
【14番・ 298Y・Par4】 13番とのギャップが面白い
グリー距離が短いパー4で選手によっては3Wで届く場合も。隣接する13番との攻め方の違いに注目
【16番・ 485Y・Par4】 難度がもっとも高いキーホール
距離が長くアップヒルで毎回、もっとも難度が高いホール。終盤だけに絶対に落としたくない
【17番・ 184Y・Par3】 コースを象徴する景観が魅力
シグネチャーホールになっているパー3。風が吹くと左サイドの池がプレッシャーになり難度がアップする
杉ちゃんの“勝手にパワーランキング”
1位 ジョーダン・スピース
●1993年7月27日生まれ ●28歳 ●米ツアー12勝
過去5回開催でそのすべてでトップ10に入っているほど相性は抜群。正確性の高さが武器
2位 パトリック・リード
●1990年8月5日生まれ ●31歳 ●米ツアー9勝
前回大会で3位に入っている相性の良さと、ショット力の高さから、大崩れしない強さがある
3位 ジョン・ラーム
●1994年11月10日生まれ ●27歳 ●米ツアー6勝
安定感の高さはナンバー1。ここ最近の勢いを考えると、外せない存在であることは間違いない
松本進のスウィング解説
パトリック・リード
「今では珍しいローテーション巧者」
リードの特徴はなんといってもローテーション。フェースの開閉を抑えて飛ばす選手が多いなか、彼は見事な開閉で球をつかまえながら打っています。インサイドからクラブが下りますが、インパクトで腕の通り道を上手く作ることで、体に詰まり感が一切なく、クラブがスッと抜けていきます。だからこそ、これだけローテーションを入れても、安定したドローで飛ばすことができるのでしょう
スウィング解説/松本進
1986年より渡米し、最新のゴルフ理論とスポーツサイコロジーを学ぶ
PGAツアーを観るなら「ゴルフネットワーク」!
「ヒーローワールドチャレンジ」放送日時
1日目 12/2(木)深夜3:30~翌午前6:30
2日目 12/3(金)深夜3:30~翌午前6:30
3日目 12/4(土)深夜2:00~翌午前7:15
4日目 12/5(日)深夜1:00~翌午前6:15
※最大延長:[3日目]午前8:00まで [最終日]午前8:00まで)
※全ラウンド生中継
月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号より