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【ヤマランドニッポン】Vol.50 美しさと戦略性に磨きがかかった「太平洋C御殿場C」(静岡)

名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、静岡県の「太平洋C御殿場C」をご紹介!

PHOTO/Hiroaki Arihara TEXT/Mika Kawano

17番・230Y・パー3
池越えで風光明媚なパー3。グリーンから振り返るとティーイングエリアの真後ろに富士山が佇む名物ホール

名手が絶賛する高速グリーン

おそらく日本でもっとも有名なゴルフ場のひとつが太平洋クラブ御殿場コースだろう。富士山麓のロケーションに名匠・加藤俊輔が設計。77年の開場と同時に当時の太平洋クラブマスターズの舞台となり、セベ・バレステロスやグレッグ・ノーマンなどがトロフィを掲げ、01年には絶頂期のタイガー・ウッズが参戦したW杯の舞台になった。

W杯を機に大規模改修が行われ、18年には『21世紀の世界水準』を目指し“オープンドクター”の異名を持つコース改修の第一人者リース・ジョーンズを招聘。松山英樹がプロの目で監修を担い、美しい林間コースにさらに磨きがかけられた。「自然を生かす」加藤イズムはそのまま、富士山の眺望をより鮮明にするため大胆にティーイングエリアを広げ樹々を伐採。バンカーを造成し直しハザードを効かせ、戦略性の高いコースに仕上がった。ヤマランドの歴史と景観に酔いしれながら、アベレージゴルファーも愉しめるエデンの園へと進化を遂げたのだ。

それまでメジャー無冠最強と呼ばれたマーク・オメーラが、マスターズと全英を制した98年に来日し「御殿場のグリーンはオーガスタよりも素晴らしい」と絶賛した高速グリーンは健在。紅葉に彩られた山々と富士を背景に、今年の三井住友VISA太平洋マスターズではどんなドラマが待っているのか? 

太平洋C御殿場C
18H・7324Y・P72

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号