【スウィング研究】古江彩佳の高効率ドロー「余計なことを一切していない」
今季6勝を挙げ、稲見萌寧と激しい賞金女王争いを繰り広げる古江彩佳。安定感抜群のドライバーショットはどのようにして生み出されているのか。最新スウィングを徹底分析!
PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa
解説/黒宮幹仁
1991年生まれ。連載「世界基準を追いかけろ」でお馴染みのプロコーチ。松田鈴英、梅山知宏らを指導
再現性が極めて高い
“インシャロー”
古江選手はアドレスのフックグリップが特徴的です。いかにもインシャローアタック(インサイド&シャロー軌道の入射角)で打ちます、といったイメージが伝わってきます。始動からトップまで、フックグリップを生かして腕のローテーションを入れずに体重移動も少なめで回転します。いわば、「余計なことは何もしない」テークバックです。だから、フックグリップのとおりフェースが真上を向くシャットなトップになります。
切り返しからクラブを自分の右サイドに落として、右足で地面を蹴りながら小さくスライドし回転し始めます。このバランスが絶妙で体の強さも感じます。
結果、アドレス時の印象どおりインシャローからヘッドが入り、ボールを高く打ち出します。ハンドファーストにロフトを立てて強い球を打とうという動きはありません。これも強みです。
見てのとおりフェースローテーションは極めて小さく、インパクト効率を徹底的に究めたスウィング。ミート率で言えば、アベレージで1.5以上あるのではないでしょうか。それが飛距離と安定感を高めています。
ローテーションが少なく、手元は何もねじらず打つので、ホールロケーション(景色やハザード)に左右されにくいはず。
1打をとにかく丁寧に振ることができるのも強み。体の負担も少ないので調子の波も小さいはず。それらが合わさって古江選手のゴルフを安定させているのだと思います。
左手を上からフックに握る
「フックに握って、いかにも『ゆるやかなアタックアングルで打ちます』といった雰囲気が伝わります」(黒宮)。グリップエンドを余らせて握る
フェースが真上を向いたトップ
「フックグリップのとおりに上げれば、このフェース面の向きが正解。ボールをつかまえる体勢がすでに整っています」
フェースローテーションほぼなし
週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より