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休み返上でペリカン選手権強行出場。リディア・コーが意地でも「ベアトロフィ」を獲りたいワケ

世界最年少でプロの試合に優勝した元祖天才少女リディア・コー。24歳になった今年、再び注目を浴びている。

米国女子ツアー21年シーズンも残り2試合で幕を閉じるが、目下の話題は、さまざまな賞の受賞レース。年間女王や最優秀選手賞、賞金女王といった主要部門は、東京五輪の金メダリストであるN・コルダと、シーズン4勝で世界ランク1位に返り咲いたコ・ジンヨンの争いとなっている。

年間最少ストロークの選手に贈られるベアトロフィ部門もコルダが69.074で1位、ジンヨンが69.186で2位だが、この2人には受賞資格がない。それはなぜか?

ツアーの規定でベアトロフィ獲得には年間最低70ラウンドをプレーしなければならない。2人はこの数字に達しておらず、同様に3位のパク・インビも、残り2試合に出場しても条件をクリアすることができない。

そこでコーが一気に候補に躍り出たのだ。当初、コーは最終戦の1つ前の「ペリカン女子選手権」を欠場する予定だった。しかし、それでは最終戦に出ても1ラウンド足りないことに。そこで70ラウンド規定をクリアするべく所属事務所が動き、急きょペリカン女子選手権のエントリーを行ったのだ。

コロナの影響で4試合が中止になり、規定のラウンド数を満たすのに各選手とも苦戦した今年。昨年も同じように平均スコア4位のD・カンが1位のキム・セヨンを抑えてベアトロフィを獲得している。

なぜこのタイトルが重要なのか? それは受賞すればゴルフ殿堂入りの貴重なポイントを獲得できるから。殿堂入りにはツアーで10年プレーし、賞金女王やメジャータイトルに応じて付与されるポイント『27』が必要。現在コーは19ポイントを保持しており、ベアトロフィを獲得すれば、また一歩前進することになる。

韓国、サウジアラビア遠征のあとアメリカで2連戦に強行出場するコー。受賞に必要なのは体力と精神力になりそうだ。

稲見と銀メダルを争った東京五輪ではその人柄の良さが話題になった(PHOTO/KJR)

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より